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俺と謎の手の生活.人生編

今回でこのシリーズは完結となります。

ジャンル…異形、ほのぼの

以下本文


<8>

 俺と謎の手の生活が始まってから、数年が経った。
 今や俺も立派な社会人。
 なかなか大変ではあるが、なんとかやっていけている。

「ふぅ、ただいまっと」

 仕事が終わって自宅に帰ってきたが、一人暮らしなので誰も「おかえり」とは返してくれない。
 でも、そのかわり…

「おぉ、よしよし」

 服の中からにゅっと伸びてきた謎の手が俺の頬を撫でてくる。
 これがなんとも心地よい。
 家に帰ればこうして謎の手との触れ合いが始まるのだ、寂しいと思った事などない。

「おおぅ、さっそく…」

 ズボンの中では早くもペニスが手コキされ始めてる。
 その快感を楽しみながら俺は服を脱いでいく。

「いい…気持ちいいぞ…」

 そして最後に残ったパンツを脱いで完全に裸になった俺の体。
 そのあちこちから謎の手がにゅにゅっと生えてくる。
 数本は俺のペニスを手コキし、残りは俺の体中をなでまわしてきた。

「はぁぁ…気持ちいい…」

 こいつに体を撫でられると気持ちいいだけでなく、不思議と落ち着く。
 仕事で疲れた俺の体が癒されるような気さえする。

「おっ、おぉぉ…」

 いつしか手コキしていた謎の手に口が出現して、手コキからフェラに移行していく。
 数個の口によってたかってペニスをしゃぶられてはたまらない。
 その上、体を撫で回す手にも同じように口が出現し体中を舐めまわされたら…

「も、もうイくぅ…あぁぁ!」

どぴゅどぴゅっ!

 我慢なんて出来るはずもなく、簡単に射精させられてしまった。
 ペニスから飛び出た精液は口付きの手が取り合うように舐め取っていく。
 やがて一滴残らず精液が舐め取られた頃に、謎の手は体の中に引っ込んで行った。

「ふぅ…」

 今日も気持ちよかった。
 また明日も頑張れそうだ。



<9>

 先ほど、実家の母から電話がかかってきた。
 母いわく、もうそろそろ結婚しろ、と。
 適当に断って電話を切ったが…

「結婚しろって言われてもなぁ…」

 正直な所、俺は結婚する気はない。
 理由は…言うまでもない。あの謎の手の事だ。
 俺はもう10年以上ともに生活しているため慣れてるが、やっぱり普通の人は気味悪がるだろうなぁと。かといって結婚相手に秘密にし続けるのも限界があると思うし。
 それに…

「おぉ、きたぁ…」

 ズボンの中で、ペニスがアソコに包まれる。
 出現した謎の手が、手のひらのアソコでペニスをくわえ込んでいるのだ。
 じゅっぽじゅっぽといやらしい音がズボンの中から聞こえてくる。

 ぶっちゃけ、こいつがいるとセックスには困らないんだよなぁ。
 しかもこいつエロい事は何やらせても上手いから今更普通の女性としても物足りないかもしれんし。
 俺が結婚する気ないのは、この辺の理由が一番大きい。

 謎の手の動きはさらに激しくなる。
 普通の人間なら、アソコにハメたままこんなに早く動くのは無理だろうな。
 謎の手だからこそできるプレイとも言える。
 つーかこんな激しくされたら気持ちよすぎて…

「うおぁっ!!」

 あっという間に射精してまった。
 こんなに激しい快感はひさしぶりだ…

 しかし謎の手はまだ止まらない。
 抜かずにそのままもう一度精液を欲しがるかのように動き始めた。
 さらに新たに生えた手が俺の玉袋を優しく揉んでくる。

「お、おいどうした。今日はやけに激しいじゃないか…」

 こんなに激しくする事って意外とそうそうないんだけど…
 あ、もしかして…

「結婚の話聞いて…ちょっとやきもちやいたとか?」

ギリッ

「いてててて!!タマをそんな強く握んなって!!」

 なるほど。それで少し機嫌が悪いのか。

「大丈夫だって。俺は結婚する気ないよ。お前がいるしな」

 そう言うと、服の中から謎の手が一本伸びてきた。
 手のひらには口付きだ。

 俺はその手を引き寄せ、唇を重ねた。

「んっ…んんっ…」

 同時に、ペニスから二発目の精液が噴出し、アソコの中に吸い込まれていく。
 気持ちいいのはもとより、今はこいつが無性に愛しい。

 これからもよろしくな。



<10>

 俺と謎の手の生活が始まって、数十年。
 さすがに俺もけっこうな年齢になった。

 この歳になると精力も落ちてきて、エロい事からは縁遠くなっていく。

 と思っていたんだけどなぁ。

「おぉ…気持ちいい…」

 今も変わらず、謎の手は毎日俺のペニスから精液を搾り取っている。

 6本の謎の手が手のひらに生やしたおっぱいで俺のペニスを包み込んできた。
 実質、トリプルパイズリだ。これ滅茶苦茶気持ちいいんだよなぁ。

「すごい…何度されてもこれはたまらん…」

 おっぱい同士が窮屈そうにつぶれあいながらも、その柔らかい肉を押し付けてペニスをしごくのは決してゆるめない。
 その強烈な快感に俺は悶絶する事しかできない。
 あぁ…もうだめだ…

「出るぅっ!!」

 耐え切れずに俺は射精してしまった。
 それもけっこう大量に。

 俺は若い頃とほとんど変わらない精力を保っている。
 これは俺自身も驚いている。
 思えば体力もさほど落ちた感じがしないし、年齢の割りに健康状態もかなり良好だ。
 もしかしてこいつのおかげなんだろうか。いや、わかんねーけど。

「くおぉっ!?」

 尻の穴を舐められる感触に思わず声をあげてしまった。
 口付きの謎の手のしわざだ。となると次は…

「くはぁ…入ってきたぁ…」

 尻の穴に指を突っ込まれた。
 もう何回もやられてるから慣れてはいるが…やられるとついドキッとしてしまう。

「うぉぉぉ…中で動いてる…」

 細い指が尻穴の中で動いているのがよくわかる。
 激しい動きではないが、気持ちいいと感じる所を的確に刺激してくる。

「うぅおぁぁぁ…」

 尻穴の中を刺激されて、射精したばかりのペニスが再び大きくなった。
 前立腺、ってのが関係してるんだっけ?いやその辺詳しくはわからないんでなんとも言えんが。

 そこにもう一本生えた口付きの手が、大きくなったペニスを深くくわえてきた。
 ペニスが根元まで完全に、手のひらの口の中に飲み込まれている。

「あぁぁ…すごいぃ…」

 口の中でカリに舌が這い回ってる感触がする。
 さらに唇が上下に動いてペニスをしごいてきて…
 これだけでも相当気持ちいいが、尻穴をいじる指の感触も合わされば…

「はぁ、はぁ、気持ちよすぎる。またすぐイっちまう」

 トリプルパイズリで抜かれたばかりのペニスがもう次の発射段階に入っている。
 もう長くはもたないとわかっている。長い付き合いだから。
 そうしている間にも、フェラはますます激しくなってるし、尻穴も指でかきまわされている。

「あぁ、もうダメだ…イく、イくっ!!」

 どくんっ、どくんっ、どくんっ…

「はぁ、はぁ…」

 またしても俺は大量に射精。出した精液は口の中に全て飲み込まれていった。

 けっこう激しい二連戦だった。
 この歳になればこんなのできないか、出来ても相当疲れてそうなもんだが…この辺も若い頃とさほど変わらない。
 これもこいつのおかげ?



<11>

 思えばけっこう長く生きてきた。
 特に大きな病気にかかる事もなく、健康的な生活を送れていた。
 だが、さすがに90歳を越えた頃から体力が落ち始めた。
 少しずつだが確実に自分の体が弱っていくのが実感できた。

 そしてある日、歩き出そうとしたら力が入らずに倒れてしまった。

「はぁ…はぁ…」

 息が苦しい…
 体が動かない…

 俺は死ぬ。
 それが実感できた。

 覚悟は出来ていた。
 もう長くはないだろうなと前々から思っていたから。

 いろいろあったが、悪くない人生だったと思ってる。
 だから…最後に…

「出てきて…くれ…いるだろ…」

 にゅっと生えてきた謎の手が俺の頬を優しくなでる。

「最後に一回…お前の手で…頼むわ…」

 死ぬ前にもう一度だけ、こいつに付き合ってやりたいと思った。

 謎の手は少し戸惑ったようだが…しばらくしてペニスが優しく握られ、ゆっくりとしごかれ始めた。
 ペニスは少しずつだが、大きく硬くなっていく。
 こんな死にかけの爺さんのペニスですら大きくできるとはさすがだ。

 ペニスを包み込んだ手が上下に動きペニスをしごく。
 握る手がきつくなったりゆるくなったり、強弱を入れ替える。
 そして時折、指で先端やカリを刺激してくる。

 これでもそう簡単にはイかないように手加減してくれているのがわかる。
 最後は長く楽しみたいと思ってくれているのだろう。
 俺も同じ気持ちだ。
 もちろん手加減してるからといっても気持ちよくないわけではない。
 むしろ程よい気持ちよさをキープして、快感が途切れないようにしている。

「いい…気持ちいいよ…」

 丁寧で的確なしごき方…
 初めて出会ったあの頃から、変わらない。
 いつだってこの巧みな手コキで、俺から精液を搾り取っていった。

「あぁ…あぁぁぁぁ…」

 少しずつ、体の奥から精液が上ってくるのを感じる。
 もうすぐだ。
 もうすぐ俺は射精する。
 そしてそれが俺の人生の最後の時だ。
 もう恐れはない。
 生涯を共にした謎の手が、最後まで一緒だ。

「イく…逝くぅ…」

 いよいよだ…出るぞ…
 どうかその手で…受け止めてくれ…

「あぁ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

どびゅーっ!!どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅっ!!

 最後の精液が、ペニスから飛び出していく。
 かなりの量だ、まさに最後の力を振り絞った射精だ。
 最高に気持ちいい…
 ありがとう…もう思い残す事はない…

 俺はそんな幸福感を感じながら、意識を失った…
























 あれ?
 俺は死んだんじゃ…?

 いつの間にか俺は意識を取り戻していた。
 一体どうなってるんだ?

 その時、誰かが俺に手を差し伸べてきた。
 細くてしなやかで美しい女性の手だ。

 あいつだ!
 この手はあの謎の手だ!間違いない!

 俺はその手の持ち主の姿を見た。

 そうか…そうだったのか!
 お前の正体は…



 翌日。
 一人の男性が倒れている所を訪ねてきた友人が発見した。
 男性はすでに死亡していた。
 しかし発見した友人は、その男性の死に顔はとても幸せそうだったと語っている。

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