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淫夢恋話

異形のお姉さんをヒロインにしたおねショタものを書いてみたい…
そう思って最初だけ書いてみたものの、その後やる気が出なくて結局ボツに。
このネタを読みきり用に調整してリベンジとして書いたのが「複根ショタと異形お姉さん」です。
その前身となったボツ作品をここにさらしておきます。


 淫夢界…そう呼ばれる異次元の世界がある。
 その世界の全ては人間の淫らな想像でできている。
 当然、そこの住人も…


「うーん…」
「目が覚めたかしら、ぼうや」
「えっ…」

 少年が目を覚ますと、ここが自分の家ではない事にすぐに気づいた。

「ここはどこ?」
「私のおうちよ、私があなたをここに呼んだの」
「えっ…えぇぇっ!?」

 自分に話しかける声に振り返る少年。
 そして相手の姿を見て思わず驚いてしまった。

 そこにいたのは女性だった。
 大人の色気を漂わせる妖しげな女性、美女といって差し支えなかった。
 だが少年が驚いたのはそこではない。
 女性が全裸であったことか。
 無関係ではないがそれも違う。

 女性は腕が6本もあった。
 女性は脚が6本もあった。
 女性は頭が3つもあった。
 女性は乳房が6つもあった。

 体の部位そのものはいずれも整えられた美しさをもっている。
 これで各部位の数が普通の人と同じであったなら誰もが彼女を絶世の美女と称えただろう。
 だが普通の人ではありえぬその異形な肉体が、彼女を奇妙な存在へと仕立て上げていた。

「ふふ、私みたいな体をした人は、初めて?」
「…わぁぁぁぁぁっ!?」
「あら」

 いつの間にか自分が見知らぬ場所にいた事、そこで人とは思えぬ異形の女性を見た動揺から、思わず少年は逃げるように駆け出した。

 ドンッ!

「わぁっ!?」

 だがすぐに何かにぶつかって、尻餅をついてしまう。
 何にぶつかったのか、少年が前を確かめると…

「なにこれ…」

 思わず絶句する。

 そこにいたのは「下半身」だった。
 腰から上のない、女性の下半身がそこに立っていた。
 それも一体や二体ではない、無数に存在する。

 ふと空に目をやると、他にも奇妙な物体がいくつも浮かんでいる。
 首から下のない、女性の頭だけのもの。
 手首から先しかない、女性の手だけのもの。
 桃色の突起のついた、柔らかそうな丸い肉の球体のもの。

「怖がる事はないわ、その子達は私の可愛いしもべ達。とっても可愛いでしょう?」

 呆けているうちに後ろから少年は異形の女性に抱きかかえられた。
 そして今更ながらに少年は自分までもが裸であった事に気がつく。

「どうなってるの?ぼくおうちに帰りたい…」
「もちろん帰してあげるわ。でもその前に、私と遊んでいきましょう」

 遊ぶって何をするの?と聞く前に、後ろから伸びた女性の手の一つが少年の小さなペニスに触れてきた。
 敏感な部分を触られて思わず少年が「ひゃっ!?」と声を上げる。

「だ、だめだよ、そこは触っちゃだめだって、ママが言ってたもん」
「大丈夫よ、私にまかせて。ぼうやはただじっとしていればいいわ」

 女性の指が巧みに少年のペニスをしごきあげる。
 まだ性的な事に興味のない少年の体といえどこれには快感を感じて、むくむくと小さなペニスが精一杯まで大きくなってしまう。

「あっ…やだぁ…なんだか変なきもち…」
「気持ちよくなってきたのね。それじゃ…」

 女性は少年の体を押し倒すと、6本の脚で少年の体を跨いできた。

「ぼうやのおちんちん、これだけ大きくなれば十分ね。ほら見て…私、おまんこも3つあるのよ…どのおまんこに入れたい?」

 少年に自らの股間を見せつける女性。
 その3対の脚の間にはそれぞれ女性器がいやらしくうごめいていた。
 そんなものが3つもあるのだ。

「や、やだ…こわいよ…」
「怖がる事はないわ。すぐにいっぱい気持ちよくしてあげる…」

 ゆっくり女性が腰を落とすと、少年のペニスが女性の女陰の一つの中にずぶずぶと飲み込まれていった。
 途端に少年は今まで経験した事のない、とてつもない快感に襲われるる。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
「あんっ、ぼうやのおちんちん、おまんこの中でさらに大きくなってるぅ」

 あまりの快感に絶叫する少年。性的な知識も経験もない少年にはもはやこの快感は苦痛と変わらない。
 それでいてペニスだけはしっかり反応し、限界以上に大きくなっている。

 どぴゅっ!

「あああぁぁぁぁ!おしっこ出てる!やだぁぁぁぁぁ!!」
「あらあら、それはおしっこじゃなくて精液よ。おちんちんが気持ちいいって証拠よ。もっと気持ちよくしてあげる」

 少年のペニスから精液が放たれる。
 少年の生まれて初めての射精はあまりに強烈な体験となった。
 そして女性がさらに女陰をきつく締める事でペニスへの快感がはね上がり、射精の勢いはますます激しくなる。

「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
「ほぉら、出して出してぇ、ぼうやの精液、私のおまんこにぴゅぴゅって出してぇ」

 もはや少年は意味のある言葉を発する事ができない。
 それにもかまわず女性は少年の上で腰を振り続ける。
 少年のペニスは女性の女陰の中で恐ろしいほどの快感に襲われ続けていた。

「いいわぁ、私もそろそろイきそう!このままぼうやのおちんちんで私をイかせてぇ!!」

 女性も絶頂が近くなりラストスパートをかける。
 激しく腰をふる事で、胴体の6つの乳房がぷるぷると揺れている。
 彼女の3つの顔はいずれも快感に蕩けていた。
 そしていよいよ絶頂に達しようかと思ったその時。

 あまりの快感に少年が失神してしまった。
 心も体もとうとう耐え切れなくなってしまったのである。

「えっ?…やだ、うそっ!?目ぇ覚ましてよ!!私もうちょっとでイく所だったのに!?」



 その後少年は記憶を消された上で元いた場所へと帰された。
 だがそれでも性的な事に対する漠然とした恐怖感は残ったそうな。



「はぁ~…」

 異形の女性の3つの頭が同時にため息をつく。

「今回もダメだった…どうしても最後までイけないわね」

 人間の世界から男性を引き込んでは犯す、という事をこの女性はこれまでに何度も繰り返していた。
 しかしどうしても自分が満足する前に相手が倒れてしまい、いつも中途半端に終わってしまうのだった。

 そもそも普通の人間と淫夢界の住人がまともに性交するのは非常に困難だ。
 人間にとって、淫夢界の住人と交わって受ける快感は人間同士のものより桁違いに大きいからだ。
 強すぎる快感に人間は耐え切れず、ごく短い時間しか体がもたない。
 一方で淫夢界の住人からすればあっという間に相手がダウンしてしまうので、どうしても物足りない。
 今回のように自分がイく前に相手が失神してしまうのも、よくある事なのである。

「やっぱり普通の人間じゃダメかしら…この世界の住人じゃないと…」

 淫夢界の住人同士が交わる分には問題ない。
 彼女自身、どうせなら自分と同じ淫夢界の住人とヤりたい。そう思っている。
 そうすれば間違いなく最後まで満足できる事だろう。

「でも、私と相性のいい住人がいないのよね…」

 ところが、彼女はいまだ淫夢界の住人と交わった経験はないのであった。
 淫夢界の住人は例外なく好色なはずなのに、なぜ彼女は相手に恵まれないか。

 原因は淫夢界の性質にある。
 最初にも言った通り、この淫夢界は全てが人間の淫らな想像でできている。
 住人も例外ではなく人間の淫らな想像から生まれ出てくる。
 そして…人気のある性癖、つまり似たような想像をする人間が多い性癖ほど、そこから多くの住人が生まれ出てくる。
 逆に言えばマニアックで少数派な性癖となると生まれてくる住人も少ない。

 異形の女性は後者の方であった。
 彼女はたった一人で淫夢界に生まれたのだ。

 住人達は相性の良い者同士が寄り集まって暮らす。
 しかし彼女の異形の体は他の住人との相性はあまりに悪すぎた。
 美しいが異形である彼女の体に誰も興味を示さなかった。

 そのため彼女は淫夢界の住人と交わる事ができないでいたのだ。
 やむをえず普通の人間を引き込んで犯していたのだが結果は芳しくないのは前述の通り。

「はぁ~…誰か私と付き合ってくれる人はいないのかしら…」

 再びため息をつく異形の女性。
 その時。
 彼女の頭の一つが空を見上げるとそこに何かを見つけた。

「何かしら?あれ」

 見てみると、空から何者かが降ってくるのがわかった。
 降ってきたのは、少年だった。
 一見すると少女と見間違えかねない中世的な雰囲気の美少年だ。
 降ってきた少年を女性は6本の腕で優しく受け止める。
 そして、女性は気づいた。

「この子、淫夢界の住人だわ」

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