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レギオン 第四話

第四話です。
人数がそろそろインフレしてきます。

ジャンル…分身、逆レイプ、ハーレム、バトルあり

以下本文

 ある時は。
「んっ…ちゅっ…」
「ぺろっ…あはっ♪」
「どうかな、マークスさん。ボクのフェラ上手くなったかなぁ?」
 3人のメイファーにマークスはペニスを舐めまわされている。
 しかも最近は格段に上手くなり快感に耐えるのが難しくなっていた。
「マークスさん、おちんちんのここが弱いんだよね」
「うぅっ!」
 ペニスの敏感な部分を舐められ思わず声が漏れてしまう。
「いっぱい舐めてあげるね」
「れろぉ…んむっ…ちゅぅぅ…」
「タマの方も揉んでみるね」
 ペニスだけでなく玉袋の方まで優しく揉み解されるといよいよマークスの快感は最高潮に達した。
「くあっ!」
 たまらずマークスは射精し、精液がメイファー達に降りかかる。
「あはっ、いっぱい出たぁ♪」
「嬉しいな、ボクのフェラで気持ちよくなってくれたんだ」
「口に入っちゃった…でも美味しい…」
 メイファー達は精液をその身に浴び、少し飲み込んでいながらも終始笑顔であった。
 
 またある時は。
「うふふ…ほぉら…」
「それっ、むにゅむにゅ…」
「気持ちいいみたいね、あたし達のトリプルパイズリ」
 3人のアイリスに同時にパイズリされるマークス。
 6つの豊満なバストにペニスをすっぽりと包まれ、マークスは早くも前後不覚に陥る。
「はぁっ、はぁっ、気持ち、いい…」
「もっと気持ちよくしてあげる」
「おっぱいをもっと強く押し付けて…」
「乳首でカリもこすって…」
 アイリス達のパイズリはますます激しくなっていく、それでいて動きは非常に的確。
 本人同士だから息が合うのは当然。まさにレギオンだからこそできる動きだ。
「ふふ、チンポの先がピクピク震えてるわ」
「先っちょにキスしてあげる」
「ほら、ちゅっ、ちゅっ」
 亀頭にアイリス達がよってたかって連続キス。
 すでに限界が近かったマークスもとうとう我慢できなくなる。
「うわぁぁぁぁ!!」
 柔肉がペニスを圧迫しているにも関わらず大量の精液が噴出した。
「うふふ、こんなにいっぱい…ステキよマークス♪」
「まだ出るでしょ?もっと出して」
「ほら、マークスの大好きなパイズリ、もっとしてあげるから♪」
「わっ、わぁぁ」
 連続でトリプルパイズリ。どうやらマークスはまだ休めそうにない。
 
 そしてまたある時は。
「ふぁぁぁっ!!いいっ、マークスのチンポ気持ちいいっ!!」
「あぁっ、マークスっ、私にもマークスのチンポ入れてくれぇ」
「私も、私もマークスのチンポ入れてほしいぞ」
 マークスは3人のフレミアにかわるがわる挿入を繰り返していた。
「くぅっ…そんな締め付けられたら…」
 もう何度もフレミアの中は経験してるのに、この快感には一向に慣れる事はない。
 むしろ以前より気持ちよくなってる感じすらする。
 …まさかと思いたいが、色々とデタラメなレギオンの生態故、否定しきれない。
「来たぁ、私の中にマークスのチンポ来たぁ」
「次は私だぞ、早く代わってくれ」
「あぁん、私の中に出してほしかったのに」
 挿入する相手を交代、それぞれのフレミアが思い思いの言葉を口にする。
「自分同士で何言ってんだお前らは…」
 そんなフレミア達に呆れながらも、フレミアの女陰をペニスで突く事は決してやめない。
「はぁっ、くぅっ、もう、出そうだ」
「いいぞ、出してくれ。私の中からあふれるくらい」
「それか私の体に思い切りかけてもいいぞ」
「マークスの精液で体がベトベトになるのも好きだからな」
 いやらしく誘うフレミアの姿にマークスはますます興奮。
 受ける快感もさらに大きくなり、いよいよ精液が尿道をのぼってくるのを感じた。
「出るぞっ!!」
 そう言ってペニスをフレミアの中から引き抜くマークス。
 その次の瞬間、大量の精液が飛び出し3人のフレミア達に降りかかった。
「あぁん♪出たぁ、マークスの精液」
「いっぱい出したな…本当に体がベトベトだ」
「気持ちよかったか?マークス」
「あぁ…」
 素直に認めるマークスの言葉を聞いたフレミア達は笑みを浮かべ…
「私はまだまだできるぞ。ほら」
「前からがいいか、それとも後ろからか?」
「どの私のおマンコも、マークスの好きにしていいんだぞ…」
 女陰を見せつけるようなポーズをとってマークスを誘惑した。
 出したばかりにも関わらずまたすぐにペニスを大きくするマークス。
 そしてまたフレミアの中に挿入して、また射精して…これを繰り返すのである。
 


「よくもまぁ、毎日毎日こんなにヤるもんだよ」
 最近の出来事を振り返ってマークスはそうつぶやいた。
 現在は夜中。マークスはベッドの上である。
「はぁ…」
 マークスは深くため息をつく。
 ここのところ、マークスはずっと悩んでいるのだ。
「どうした?マークス」
 その時、隣で寝転んでいたフレミアが話しかけてきた。
 ちなみに反対側にはメイファーが、その後ろにはアイリスがそれぞれ眠っている。
「いや、なんでもない…」
「嘘をつくな。私にはわかるぞ」
「………」
「まぁ話しにくい事なのかもしれない。だから今は聞かない。だがこれだけは覚えておけ」
 フレミアがマークスに顔を近づけ、力強く言った。
「私も、アイリスも、メイファーも、みなお前の味方だ。困った時は私達に頼ってくれ。お前には10万人の私達がついてるという事を忘れるな」
「そいつは頼もしいな……ありがとう、フレミア」
「これくらいどうということはない。マークスよ、考えすぎは良くない。夜更かしせずにさっさと寝るんだぞ」
「あぁ、そうする」
「まぁ私を抱きたくなったならその限りではないが」
「お前もさっさと寝ろ」
「最近は夜中にお前がムラムラした時すぐヤれるように裸で寝て」
「寝ろっつってんだろ」
「じゃあおやすみマークス……睡姦って知ってるか?」
「もう黙れよお前!」
 しばらくしてようやくフレミアは眠りについた。
「全く、たまにいい事言うと思ったらすぐこれだ」
 やや疲れつつも、つい考えてしまう。
 これもまたレギオンの本能なのだろうか、と。
 レギオンは、本当に好きな相手には性的に積極的になるという習性がある。
 フレミアはもちろん、アイリスもメイファーも、それほどマークスを好きだという事だ。
 
(じゃあ俺はどうなんだ?)

 自分はそこまで彼女達の事を好きだろうか、と。
 もちろん嫌いではない。フレミアとは敵として出会い殺し合いをしたが特に遺恨はない。
 あれから半年も経った今ではとっくに敵意もなくなっている。
 アイリスとメイファーは出会った時点からわりと仲良くやってこれたという自負がある。
 
 だが、彼女達の求愛に答えてやれるほど自分が彼女達の事を愛しているだろうか?
 
(そもそも俺がここにいる理由が…単なる成り行きだからな)
 国に帰ってもする事がない、だからしばらくここにいる。
 きっかけはただそれだけだった。
(何故あの時俺は留まる事にした?国に帰って何か新しい事を始めるという選択肢だってあったはずだ)
 考えれば考えるほど、わからなくなっていく。
 自分ははたして、このままでいいのだろうか。
 こんな曖昧でいい加減な気持ちのまま彼女達と付き合い続けていいのだろうか。
 マークスは深く悩んでいた。
 
 だが、その時。
 突然、部屋が光ったかと思うと…
「な、なんだぁっ!?」
 見知らぬ謎の女性が唐突に部屋に出現した!!
「これは転移魔法!?」
 異常事態にフレミアも、アイリスもメイファーも即座に飛び起きた。この辺はさすがである。
「いきなり夜中にお邪魔するなんて失礼よ」
「お前誰だー!!」
 みんなして謎の女性に警戒している。それを見て女性はニヤリと嫌な笑みを浮かべると…
 突然女性の姿が何人にも増えた!!
「なっ!?」
 そして増えた女性達がいっせいに電撃の魔法を放ってきた!!
 不意をつかれたフレミア、アイリス、メイファーはこれを受けてしまう!!
「ぐわぁっ!!」「きゃあっ!!」「うわーっ!!」
「みんな大丈夫か!?」
「大丈夫だ…それより…この女レギオンだ!!」
 こちらを見て不敵に笑う同じ姿の女性達。
 分身魔法の類ではない、彼女もフレミア達と同じレギオンだと全員が感じていた。
「しかも私やアイリスと同じ「魔女」だ!さっきの転移魔法といい今の電撃といい間違いない!」
 相手が魔女ともわかってマークスの警戒レベルはさらに上がる。
 すかさず剣をとろうとする、が…
(げっ!剣がない!?そうだった別の部屋に置きっぱなしだ!)
 最近はすっかり緊張感がなくなって普段から剣を持ち歩かなくなったのが災いした。
 そんなマークスに、謎の女性が一人近づいてくる。
「くっ…!」
「マークス!!」
 フレミア達が制止する間もなく、謎の女性はマークスに接近すると…
 
 がしっ!!

「会いたかったですマークス様っ!!」
 愛おしそうにマークスに抱きついた。
(えぇ~~~~~~っ!?)
 全員の気持ちがこの時一致したのは言うまでもない。
「マークス…その女知り合いか?」
「知らねぇよ!お前ら以外にレギオンの知り合いなんか…」
「…やはりわたくしの事はお忘れですか…まぁ無理もありませんが」
「へ?」
 なにやら意味深な事を言う女性。
 マークスは問いただそうとしたが…
「まぁ後でお話しいたしますわ。まずはわたくしに付いてきてください」
 細かい説明を後回しにして謎の女性は再び転移魔法を使用した。
「えっ?ちょっ…」
 ただし今度はマークスを巻き込んで。
「行きましょうマークス様。わたくし達だけの世界に」
 それだけ言い残して謎の女性は全員姿を消した。
 マークスも一緒に…
 
「おい…これはどういうことだ…」
 あまりに突然の事態に困惑するフレミア達。
「つまり…あの謎のレギオンの魔女に…」
「マークスさんがさらわれた?」
 アイリスとメイファーの言葉でようやく状況を把握した瞬間、
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
 フレミアは絶叫した。
「ま、マークスっ!!まぁぁぁぁぁぁくすぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「フレミア!落ち着きなさい!!」
 半ばパニックになってマークスの名を呼ぶフレミア。
 アイリスが落ち着かせようと声をかけるがフレミア自身の大声で届かない。
「あぁもう世話が焼けるわね!」
 アイリスの寒波の魔法でフレミアの頭を冷やし強引に落ち着かせる。
「すまん…取り乱した…」
「そんな事はいいから魔法の解析手伝って!!」
「解析…そうか!!転移魔法が使われて間もない今なら魔法の痕跡が魔力として残っているはず!!」
「それを解析してどこに転移したか突き止めるわよ!!」
「よし!!待ってろマークス!!すぐに助けに行くからな!!」





「どこだここは…」
 一方、謎の女性に連れ去られたマークスは、見知らぬ館へとやってきていた。
「ここはわたくしがマークス様のために用意した館ですわ。なにしろわたくし達がこれからずっと暮らす場所ですから。頑張って作りましたわ」
 さらっととんでもない事を言われたが、マークスが聞きたいのはそういう事ではない。
「いや、この館自体がどこにあるのかって聞きたいんだが…」
「無人島ですわ」
「無人島!?」
 さすがに予想外の答えだった。
「しかも大陸から遠く離れているためこの島はまだ未開の地。つまりまだ誰もこの島の存在を知りません。知っているのはわたくし達だけなのですわ!!」
(まいったね。少なくとも自力での脱出はまず不可能ってわけか)
 とりあえず居場所については理解できた。
 あとは、やはり彼女の正体である。
「あのさ…本当にあんた何者なんだ?なんで俺の事を知ってるんだ?」
「…マークス様がわたくしの事を忘れてる事は覚悟してましたが…やっぱり寂しいですわ。幼い頃は一緒に遊んだ仲ですのに」
「えっ?」
「リィズ。それがわたくしの名前ですわ、これでも思い出しませんか?」
「小さい頃…リィズ…」
 しばし考え込むマークス、しばらくして…
「あ…あぁ~~~~~~っ!!思い出したぞ!!まさかあんた…あのリィズか!?」
 思い当たる事があったのをマークスは思い出した。
 
 
 
 マークスは幼い頃、とある小さな村で暮らしていた。
 ある日少年ならではの冒険心で森の奥へと入っていったマークスは…
『あ、あなたは誰ですか?』
『えっ?こんな所に…女の子?』
 森で一人で暮らしていた幼い少女と出会った。
 それがリィズだった。
 
『リィズー!あっそぼーぜー!』
『わぁいマークス様だー!』
 村にはマークスと同年代の子供がいなかったためマークスはリィズとよく遊ぶようになった。
 二人が仲良くなるのはごく自然な流れだったと言える。
 
 そうして二人は遊ぶ中でこんな会話もしている。
『ま、マークス様。わたくし達、けっこんしませんか?』
『おいおい、おれ達まだこどもだぜ?早すぎるっての』
『ど、どうしたらわたくしとけっこんしてくださいますか?』
『んーそうだな。今より背もむねもばーんとでかくなってすげーびじんになったらけっこんしよーかな』
『わかりました!わたくしがんばります!』
 そんな事もありながら、二人は楽しい日々をすごしていった。
 だがある時、それも終わりを迎える。
 
『うわーん!!マークス様とお別れなんていやですわー!!』
『泣かないでくれよ、もう決まっちゃったんだ』
 マークスは父親の計らいで町の学校へと通う事になり、そのために村を離れる事となったのだ。
 マークスは町へ行く事自体は楽しみにしていたが友達であるリィズと別れるのは寂しいと感じていた。
『だいじょうぶだって。何ももう一生会えないわけじゃないんだ。また会えるって』
『本当ですか?』
『もちろん!俺だってまたリィズと会いてぇもん』
『…わかりました。わたくし待ちます、いつかまた会えるその時を。その時までにわたくし身長も胸も大きくしてきっとマークス様ごのみの美人になってみせます。そしたらけっこんしてくださいね』
『だからけっこんの話は早いって。ていうか妙に話細かくねぇ?』
 マークス自身はリィズに言った結婚の条件の話をすっかり忘れていたりする。
『じゃあ、またな!リィズ!!』
『はい!!また会える時を楽しみにしていますわ!』

 …それがマークスが最後に見たリィズの姿である。
 
 
 
「ようやく思い出していただけましたか」
「あぁ、思い出した…懐かしい!滅茶苦茶ひさしぶりじゃないか!!」
「えぇ、本当におひさしぶりですわ」
 リィズの正体が昔別れた幼馴染だと気づいて、思わずマークスはテンションが上がっていた。
「ははっ、あの頃は本当にちっちゃい女の子だったのに、すっかり大人になったなぁ」
「はい。見ての通り身長はじゅうぶん大きくなりましたわ」
「元気そうで良かったよ…悪いな、今まですっかり忘れてて。そのせいでちょっとひどい事言っちまった」
「大丈夫ですわ。だってマークス様、思い出してくれましたもの」
 リィズ自身もマークスが思い出してくれた事に安堵しているようだ。
「…って、あれぇ!?リィズってレギオンだったのか!?小さい頃そんな事言わなかったじゃないか!!」
「…ごめんなさい。あの頃はわたくしがレギオンである事を秘密にしていました。人間とは違いすぎる体だから、マークス様怖がるかもしれないと思いましたの…たった一人の友達だったマークス様に嫌われたくありませんでしたから…」
「あぁー…なるほどね。俺も初めてフレミアの正体知った時は驚いたもんなぁ」
 幼馴染の意外な秘密には驚かされたが、同時に自分を気遣って黙っていてくれた幼馴染の心意気に感謝する。
「いやー、こんな形でリィズに再会できるとはなぁ」
 ひとしきり懐かしんでマークスは一息つくと…
「…って俺そのリィズに拉致られてんじゃん!?」
 ようやく現在の危機的状況を思い出した。
「どういう事なんだリィズ!!答えてくれよ!!」
「今こそ、わたくしの夢をかなえる時だと思ったからですわ」
「夢?」
「わたくしとマークス様との結婚ですわ♪」
「ぶーーーーーーーーっ!?」
 いきなり話がとんでもない方向に進みマークスは動揺する。
「別れ際に言ったではありませんか。また会った時は結婚してくださいね、って」
「あー、えーと、そういやそんな事言ってたような気もする…けど…」
「ほら、見てください。わたくしの体を」
「へっ?…わぁっ!?」
 突然リィズが服を脱ぎ、マークスの前で全裸になった。
 …フレミアも似たような事をした気がするが。
「身長も胸も、あの頃よりずっと大きくなりましたわ。どうですか?わたくし、マークス様好みの美人になれましたか?」
「う…」
 確かに、成長したリィズは非常に美しかった。
 全体的にほっそりとした体、きめ細やかで綺麗な肌、きらきらと輝く髪。
 フレミアやアイリスにもひけをとらない美女がそこにいた。
 フレミアが「活発」、アイリスが「クール」だとすればリィズは「上品」と表現できるだろうか。
 しかし、リィズの体で何より目をひいてしまうのが…
(服着てた時は気づかなかったが…胸でけぇぇぇぇぇぇぇ!?)
 リィズの巨大なバストであった。
 フレミアやアイリスも相当に大きかったが、リィズのそれはさらに上回っている。
 全体的に体が細いのに胸だけが突出して大きいため少しアンバランスだがそれすらも魅力となっていた。
 あんな細い腰でこんな大きな胸が支えきれるのかと心配になる。
「わたくしの胸、大きくなったでしょう?きっとマークス様のために大きくなったんですわ…」
 顔を赤くしながらも、リィズはそのド迫力の爆乳を見せつけていた。
「あぁ、うん、幼馴染がこんな美人に育ってくれて俺は嬉しいよ…」
 一応本音ではある。
 こんな状況じゃなければもっと素直に喜べたであろう。
「ただ、さ…お前らレギオンはいつもそうなんだけど、話がいちいち急展開すぎてついていけな…」
「マークス様、これでようやくわたくし達結婚できますわね」
「話聞いてる?」
 リィズはうっとりした目つきでマークスの手を握ってくる。
「結婚してわたくし達二人きりで…ずっとこの島で暮らしましょう…楽しかったあの頃のように…」
(なんか危ない事言い出したぁぁぁぁぁぁ!?)
 幼馴染の性格の変わり様にマークスは涙が出そうになった。
「リィズ!?本当にちょっと落ち着いて話しようぜ!?いくらなんでもこんな…」
「…くっ、こんな時に!」
「へ?」
 不意にリィズの表情が不機嫌そうなものに変わる。
 一体どうしたのかとマークスが不思議に思っているとリィズが口を開いた。
「申し訳ありませんマークス様。この島に侵入者です。敵は3名」
「3名…まさか!」



 一方、館のある島の一角。
「転移魔法を解析した結果、ここが奴の転移先で間違いない」
「まさか無人島とはねぇ」
「ここにマークスさんがいるはずなんだね」
 フレミア、アイリス、メイファーがリィズとマークスを追って島に到着していた。
「意外と広い島だよ、どうやって探すの?」
「まずは探知魔法を使ってみる。マークスが近くにいれば反応があるはず…」
「そうはいきませんわ!!」
 突如響き渡る声の方にフレミア達が振り向くと、
「早速現れたか!」
 そこにはリィズが一人立ってフレミア達を睨んでいた。
「聞け!最初で最後の通告だ!!今すぐマークスを返せ!!さもなくば貴様…ただではすまないぞ!!」
「さっさと返した方が身の為よぉ?」
「マークスさんを返さないと、ボクの本気パンチをお見舞いするぞ!」
 それぞれがリィズに向かって言いたい事を言うが、要求は一つ「マークスの返還」だ。
 それに対しリィズは…
「あなた達邪魔ですわっ!!」
 問答無用で魔法の電撃を放ってきた!
「うおっ!?…返す気はさらさらない、か」
 電撃そのものは回避したフレミア達は、同時に話し合いの余地はない事を理解する。
「ここはわたくしとマークス様が二人っきりで暮らすための秘密の島ですのよ!」
「ま、マークスと二人っきりだと!?そんなうらやましい事を!?」
「フレミアさん、思いっきり本音出てるよ」
「ふーん、それがあなたの目的ってわけ」
「この島の存在を知られたからには、あなた達を生かして帰すわけにはいきませんわ」
 リィズの目つきがきっ、と厳しくなる。
「あなた達全員、ここで死んでいただきます」
「殲滅戦がお望みか…いいだろう、付き合ってやる!!」
 戦闘態勢に入るフレミア達。
 それと同時にフレミア達の姿が何万人にも増えた!
「私が5万人っ!」「あたしは一万人!」「ボクは4万人!」
「全員合わせて10万人だっ!!レギオンを同時に3人も敵にまわした事を後悔させてやる!!」
 10万人のフレミア、アイリス、メイファー達に取り囲まれるリィズ。
 しかし彼女は全く慌てていなかった。
 むしろ余裕すら感じられる。
「10万…3人合わせてたったそれだけですか」
「なにぃ!?」

「わたくしは100万人いますわ」

「…なんだと?」
 リィズの放った衝撃的な一言にフレミア達は動きが止まってしまう。
 そのフレミア達のまわりに、何十万人ものリィズが出現しフレミア達を取り囲んでしまった。



「100万人!?」
「はい♪」
 一方、マークスもリィズが100万人いる事を知らされ衝撃を受けていた。
(マジかよ…レギオンのデタラメぶりには何度も驚かされてきたが、今回は群を抜いてるぞ!なんだよ100万人って!?)
 フレミア、アイリス、メイファー、3人合わせてやっと10万人だというのに、このリィズはたった一人でその10倍の人数存在できるというのだ。
「ちなみに今侵入者を相手にしているわたくしは99万人。残り1万はこうしてマークス様のおそばにいますわ」
「みんな…」
 かつてないピンチにさすがのマークスもフレミア達が心配でたまらない。
 しかしそこにリィズがせまる。
「マークス様、外の事は気になさらないでください。どうか99万人のわたくしにお任せください」
 そう言ってリィズはマークスをベッドの上に押し倒した。
「り、リィズ!?」
「わたくし達はここで…愛し合いましょう♪」



 99万人のリィズに囲まれるというかつてない状況にフレミア達は動けないでいた。
「いかがですか?レギオンの最大の強みである圧倒的人数差というアドバンテージを失った気分は」
 リィズの嫌味ったらしい言葉にも言い返す事ができない。
 事実、フレミア達は自分をはるかに上回る人数と戦った経験は皆無なのだから。
「まいったわね…さすがにこれは予想外だわ…」
「うそでしょ…こんなのありなの…」
 アイリスとメイファーが絶望感に心が折れそうになっているのも無理はない。
 だが。
 ただ一人この絶望的状況に抵抗しようとする人物がいた。
「だから…どうした」
 フレミアである。
「そんな事で私が諦めると思ったら大間違いだ!!私は絶対に諦めない!!貴様を一人残らず倒してマークスを取り返してやる!!」
 足が震えている事からフレミアも相当な恐怖を感じているはずだが、それを振り切って彼女は戦おうとしている。
「フレミアさん…どうして…」
 メイファーが震えながら声をかけるとフレミアはこう答えた。
「ここで諦めたら私はマークスを永久に失ってしまう。そんなの絶対に嫌だ!!」
「けど…この人数差じゃ…」
 アイリスも弱気な声をあげるが、フレミアはさらに言葉を続ける。
「マークスはたった一人で一万人の私と戦ったぞ!!一歩も退かずに!決して諦めずに!」
 そう、マークスとフレミアが出会ったあの戦いがフレミアを奮い立たせていたのだ。
「力だけじゃなく心まで強いあいつだからこそ私は好きになったんだ!!なのにここで私が諦めてしまったら、私はマークスに愛してるなんて二度と言えないじゃないかっ!!」
「!?」
 この言葉はメイファーとアイリスの心に深く刻まれた。
「…ふんっ!」
 メイファーは両手で自分の両頬を叩いて気合を入れ直す。
「目が覚めたよ。ごめんフレミアさん、ボクとした事が弱気になってた。そうだよ、ボクはマークスさんが大好きなんだ。こんな所で諦めてたまるもんか!!」
「よく言ったぞメイファー」
「うふふ、あなた達にばかりいい格好はさせないわよ?」
「アイリス!」
 アイリスもようやくいつもの調子が戻ってきた。
「あたしだってマークスを失いたくはないわ。だってマークスってとってもいい男だもの。そんないい男のそばにいられるのはいい女だけ。ここで諦めずに戦ってこそいい女よね」
「確かにそうだな」
「それに…」
「?」
「こんな面白そうな事、参加しなきゃ損じゃない♪」
「あっはっは!なるほど、実にお前らしい!やはりお前はそう来なくてはな!」
 メイファーとアイリスが戦意を取り戻したのを見て、フレミア自身もさらに戦意を向上させる。
 これにはリィズも感心するが余裕の態度は変わらない。
「わたくしを全員倒す、大きく出ましたわね…でも、この圧倒的人数差の前ではあなた達は無力。それは同じレギオンであるあなた達が一番よくわかってるはずですわ」
「そう言っていられるのも今のうちだ…」
 フレミアはリィズ達を強く睨み、叫ぶ。
「マークスを助けるまで私達は倒れない!覚悟しろ!!」
 それはかつてマークスがフレミアと戦った時に言ったのと似た言葉だった。
「せいぜい悪あがきしてみせてください!!」
 それを迎え撃つリィズ。
 ここにフレミア、アイリス、メイファー連合10万VSリィズ99万という戦いが勃発した。
 …この人数なら戦いというより戦争だろうか。
 
 
 
「あ、あの、リィズ…?なんで俺脱がされてんのかなぁ…」
「着たままの方がお好みでしたか?」
「そういう事じゃなくて…」
 ベッドに押し倒され、すでに裸に剥かれたマークス。
 相対するは同じく裸になってマークスに迫るリィズ一万人。
 どこにも逃げ場はない。
「ほら、わたくしの体、もっとよく見てください…」
「マークス様のためにここまで大きくなったんですのよ」
「わたくしの体、どうかマークス様の好きにしてください…」
 何人ものリィズ達がその裸体をいやらしく見せつけてくる。
「ちくしょー…こんな状況でも反応しちまうのが悲しい…」
 リィズ達の裸を見て、ペニスがしっかり大きくなってしまっているのを悔しがるマークス。
 一方でリィズ達は嬉しそうだ。
「マークス様、わたくし達の体で興奮してくださいましたのね」
「たくましいですわ…これが夢にまで見たマークス様のペニス…」
「もうわたくし、我慢できませんわ…」
 一人のリィズがマークスの腰にまたがってペニスに狙いを定めた。
「うん、正直こうなるってわかってた…リィズもレギオンならこういう展開になるよなぁ…」
 もはや諦めの入った表情でマークスはそうぼやく。
「マークス様、見てください…わたくしのここはもう、こんなに…」
 マークスにまたがるリィズの女陰は前戯もなしにすでに濡れそぼっていた。
「どうかわたくしの中で、気持ちよくなってください…」
 ゆっくりとリィズがペニスめがけて腰を落としていく。そして…
「んっ…あぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 リィズの中にマークスのペニスが根元まで飲み込まれた!
「あぁぁ…嬉しい…わたくし、ついに、マークス様に初めてを捧げる事ができましたのね…」
 そのリィズの言葉を裏付けるように、リィズの女陰からは血が流れてきていた。
 
 
 
「くっ!!」
 四方八方から襲い掛かるリィズの電撃を、フレミアはわずかな隙間をかいくぐって回避し続けている。
「いつまでそうして逃げられますか?」
「いつまでも…逃げる気はない!」
 フレミアが火の玉を放って攻撃するが、これをリィズはあっさりかわす。
「ハズレ♪」
「それなら…これでどうだ!」
 今度は火の玉を連続で放った。
 多くの火の玉がリィズに向かって飛んでいく。
「こんなの当たりませんわ」
 しかしそれもリィズ達は事もなくかわす。
「あら?」
 ところが、かわされた火の玉は地面に着弾し、大きな炎となって燃え盛った。
 数が多かったためあちこちから火の手があがる。
「しまった!?」
 そしてその炎に視界をさえぎられたせいでリィズ達はフレミアの姿を見失った。
「あいつはどこですの!?」
「ここだ」
 一人のリィズの後ろにフレミアの姿が現れる。
「さっき連続で放った火の玉はもとより当てる気はなかった。炎で貴様の視界をふさぎ、私を見失った隙をつくのが狙いだ!!」
 ボォォォォォウッ!!
「きゃあああああああ!!」
 後ろからの炎攻撃をまともにくらいリィズの体は燃え尽きてしまった。
「まずは一人!」

 同じ頃。
「挟み撃ちですわ!!」
「これで死になさい!!」
 アイリスを挟んだ二人のリィズが電撃でアイリスに攻撃した!
 しかし…
「かかったわね♪」
 アイリスは高くジャンプする事で双方向からの電撃をあっさりとかわした。
 そうなるとかわされた電撃は向かいのリィズに飛んでいき…
「し、しまった!?」
「きゃああああああっ!!」
 二人のリィズは互いの電撃をくらって同士討ちをしてしまった。
 
 さらに同じ頃。
「逃がしませんわ!!」
「これだけの電撃、かわせるものならかわしてみなさい!!」
 大勢のリィズが一人のメイファーに向かって同時に電撃を放つ。
 無数の電撃による攻撃をメイファーはまともにくらってしまった!
 …かに見えた。
「電撃が…すり抜けた!?」
 メイファーの体を電撃がすり抜けたのだ。
 同時にメイファーの体が薄れ、消えていく。
「残像だよ」
 いつの間にかメイファーはリィズの後ろに回りこみ、
「はぁっ!!」
「ああぁぁぁぁぁぁっ!?」
 リィズを思い切り殴り飛ばした。
 飛ばされたリィズは壁に叩きつけられ、そのまま動かなくなった。
 
「まずは好調な滑り出しのようだな」
「今だけですわ、いつまでもちますことやら」
 余裕な態度は崩さないリィズだが、フレミアの方もニヤリと笑みを浮かべて見せた。
「調子に乗っていていいのか?私はすでに貴様の弱点を見つけたぞ?」
「わたくしの弱点?」
「貴様の魔法は確かに強力だ。だが…肝心の戦い方がまだまだ荒削りで隙がある」
「!?」
 この指摘にリィズはわずかに顔色が変わる。
「恐らく貴様は魔女としては新米、戦闘経験にも乏しいのだろう?」
「………」
「貴様は強い事は強いが、一人当たりの戦闘能力は私達より若干劣る。一対一で戦ったら恐らく貴様は私達の誰にも勝てないだろうな」
「…さすが、ですわね、こんな短い間にあっさりと見破るなんて」
 しばらく黙った後、リィズは指摘が正しい事を認める発言をした。
「案外あっさり認めたな」
「隠しても仕方のない事ですから。それに…」
 無数のリィズ達がフレミアを見つめ不敵に笑っている。
「そんな実力差を物量で埋めて押し切ってしまうのがわたくし達レギオンでしょう?」
 多少の実力差など、10倍の人数をもってすれば簡単に覆せる、とリィズは言いたいのだ。
「ちっ、少しは動揺するかと思ったが」
「そちらこそ、あまりわたくしを舐めない方がよろしいですわよ?わたくしの魔法は電撃だけではありませんのよ?」
「なに?」
 今度はリィズの発言にフレミアの顔色が変わる。
 次の瞬間。
「うわぁっ!?」
 メイファーの悲鳴が聞こえ、その方向に振り返ると、
「捕まえれば残像は使えませんわよね」
「このっ、離せぇっ!!」
 リィズがメイファーにしがみついていたのだ。
「ボクの邪魔しようたってそうは…」
 リィズをなんとか振りほどこうとした、その時。
 
 ドォォォォォォォォォン!!

 メイファーにしがみついていたリィズの体が大爆発を起こしたのだ。
 爆煙がおさまると、そこにはリィズも、メイファーも消えてなくなっていた。
「じ…自爆だと!?」
 これにはさすがに度肝をぬかれたフレミア。
 こんな戦法とも言えない無茶苦茶なやり方をするとは思わなかったのだ。
「いかがですか?こういうやり方もございますのよ?」
 躊躇なく自分を一人爆弾代わりに使っておきながら、リィズ自身は至って涼しい笑顔である。
 この笑顔がフレミア達には恐ろしいものに思えた。
「い、いかん!お前達、こいつには絶対に捕まってはいかんぞ!!」



「どうですか?マークス様、気持ちいいですか?」
「うぅっ…」
「もっと締め付けた方がよろしいですか?もっと激しくした方がよろしいですか?」
 リィズに騎乗位で犯され、されるがままのマークス。
 ひっきりなしにペニスを襲う快感に身悶えし、抵抗すらできない。
「リィ、ズ…」
「わかりました!もっと締め付けた上に激しくしますわ!!」
「おいっ!?」
 マークスの声もまともに届かず、リィズの動きはさらに激しくなる。
 リィズの激しい上下の動きにあわせて、リィズの巨大なバストがぶるんぶるんと豪快に揺れていた。
「あぁ、マークス様ぁ…」
 そこに追い討ちをかけるように、他のリィズ達が何人も集まってくる。
「おぃ、何をするんだ…わっ、わぁぁぁ…」
 何人ものリィズ達がマークスの体のあちこちを舌で舐め始めた。
 乳首はもちろん、首筋や脇腹にも舌が這い回り、マークスの体から力が抜けていく。
「マークス様の、指ぃ…ちゅぱっ…」
 腕にもリィズがしがみつき、指を丹念にしゃぶられている。
「足も、綺麗にして、さしあげますぅ…」
 さらには足まで舐められ、快感とくすぐったさ、二つの感覚に同時に襲われた。
「あぁっ!!いけない、わたくしとした事が!!」
 突然はっと気づいた様子のリィズが、マークスの顔に近づくと…
「んんっ…」
 マークスと口づけをかわしてきた。
「ぷはっ…キスをするより先に初めてを捧げてしまうなんて…順番が逆でしたわ…」
 ぽっと顔を赤らめながらも、リィズは何度もマークスと口づけを繰り返す。
「気持ちいい…俺の体、リィズに舐められてる…」
 全身をたくさんのリィズの舌に舐めまわされてるマークス。
 その光景は、まるで甘い物に群がる蟻のようだった。
 事実リィズにとってマークスは極上の蜜を超えるものであっただろう。
「はぁっ、はぁぁ、気持ちいいです、わたくしも、マークス様のペニスが、気持ちいいです!!」
「ぐぁぁぁぁ…」
 そして一心不乱に腰を振り続けるリィズ。
 全身舐め回しで興奮が高まった所にこれはかなりこたえる。
「腰が、止まりません!マークス様のペニスが気持ちよくて、腰が勝手に動いてしまいます!」
 もはやリィズ自身にも止められない程にリィズは興奮してしまっている。
 リィズの激しい動きにマークスはひたすら翻弄され、強い快感を受け続けていた。
「もう、ダメだ…出るぅ…」
「出して、くださいっ。マークス様の精液、どうかわたくしの中に、たくさん出してくださいっ!」
 リィズの膣壁にしごかれ、マークスはペニスの奥から精液が上がってきているのを感じる。
 ここまでむしろよく耐えた方だが、もはやマークスの我慢は限界であった。
「うぐぁぁぁ出るぅぅぅ!!」
「ああぁぁぁマークス様ぁぁぁぁ!!」

 どぷっ!どぷっどぷっ、どくんっ!

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「あぁぁっ、出てますっ!マークス様の精液が、わたくしの中にっ、これだけでわたくし、イッてしまいそうです!!」
 とうとうこらえきれずに射精してしまったマークス。
 大量の精液をリィズの膣内に吐き出し、リィズもまた中に出された事に強い快感を感じていた。
「マークス様、わたくし嬉しいです、わたくしでこんなに気持ちよくなってくださって…」
「うぅ…はぁぁ…」
「さぁ、続けましょう」
「いっ!?」
「わたくし、もっとマークス様を気持ちよくしてさしあげたいのです♪」
「や、やめ…わぁぁぁぁぁ!!」



「くらいなさい!!」
「くっ…ダメ、よけきれない…」
 リィズの電撃をかわしきれず、アイリスがまた一人倒される。
 
「ふふ、捕まえた…」
「うわぁっ!!離せ、離せよっ!!」
 リィズに捕まえられたメイファーがまたしても自爆でやられてしまった。
 
「そろそろ限界が見え始めましたわね」
 アイリスもメイファーも少しずつその数を減らし始めていた。
「まだ…まだいける…」
 虚勢を張るフレミアだったが、人数が減ってきているのは彼女も同じ。
 何より体力がもうほとんど残っていない。
 それでもマークスを取り返したい一心で必死に戦い続けている。
(しかしおかしい…けっこうな数を倒した覚えがあるのに、こいつの数が減ってるように見えない…少しくらい目に見える変化はあってもいいはずなのに…)
 リィズに不審な点が見つかり、どういう事かと頭を悩ませていると、
「あなた達、一つ大事な事を忘れていますわ」
 突然リィズが語り始めた。
「忘れているだと?」
「レギオンは欠員が出た場合、男性の精液からエネルギーを取り入れて補充できる、という事をですわ」
 それを聞いた瞬間、フレミア達はピンと思い当たった。
「しまった!!そういう事か!?」
「はい♪今別の場所でわたくしはマークス様に愛していただいています。そこでマークス様に出していただいた精液で、わたくしはやられたそばから補充しているのですわ♪」
 最悪だった。
 ただでさえ人数が圧倒的に不利なのに、その上相手は欠員補充まで同時に行っていたのだ。
「あぁっ…マークス様が、またわたくしの中に出してくださいましたわ…わたくしまでイってしまいそう…」
 遠く離れた場所にいる別の自分を通じて、こちらのリィズまで快感を感じている。
 蕩けた表情を浮かべるリィズにフレミア達は苛立つ。
「はぁ、はぁぁ…まぁあいにくと、わたくしがやられるペースの方が少々早くて、補充が追いついてないのですが…それでも戦いは確実に長引きますわ。長引くほどあなた達が不利なのは、わかってますわよね?」
 勝ち誇ったかのように笑みを浮かべるリィズ。
 対するフレミア達はすっかり顔色が悪くなっていた。
「さすがに…困ったわね…」
「マークスさん…ボクどうしたらいいの?」
「マークス…お前が一万人の私と戦った時も…こんな気持ちだったのか?」
 
 
 
「はぁぁ…わたくしの中に、マークス様の精液がいっぱい…今にもあふれ出しそう…」
「ううぅ…」
 ようやくリィズはマークスのペニスを解放してくれた。
 だがマークス自身に一息つく暇はない。
 別のリィズがマークスに近づいてきたからだ。
「マークス様♪次はわたくしがお相手いたしますわ」
「ちょ…休ませ…」
「今度は…わたくしの胸でマークス様を気持ちよくしてさしあげますわ」
 リィズの爆乳がマークスのペニスに迫ってきた。
 あれに挟まれたらどんなに気持ちいいか…マークスは少し楽しみであると同時に恐怖も感じていた。
「ま、待って…」
「わたくしの胸でむぎゅうって挟んで、い~っぱいしごいてあげますからね♪」
 そう言って、リィズはその巨大な乳房で…
「そぉれ~♪」
「うおああああ!!」
 マークスのペニスを、言葉通りむぎゅうっと挟み込んできた!
 これほどのボリューム感、圧迫感をマークスがこれまでに感じた事はない!
「気持ちいいですか?でもまだ挟んだだけですわ、これからもっと気持ちよくなりますから」
 リィズは爆乳を上下させてマークスのペニスをしごきはじめた。
 巨大な乳肉がぬるぬるとペニスをしごくのは、想像以上の快感だ。
「うわぁぁ、これ、気持ちよすぎる…だめだぁ…すぐにイっちまう…」
「イってもかまいせんよ。わたくしの胸にいっぱいかけてくださいね」
「あっあぁっ、イクぅっ!!」
 早くもマークスは射精してしまい、精液をリィズの胸に撒き散らしてしまった。
 それをリィズは指ですくい口に含んでみせる。
「んふ…これがマークス様の精液の味…♪」
「はぁ…はぁ…ちょっと、これやばいって…」
「マークス様、わたくしの胸に挟まれるの、気に入っていただけたのですね、でしたら…」
 リィズがもう一人、マークスのペニスにその大きな胸を寄せてきた。
「今度は二人でしてあげますわ♪」
「い゛っ!?」
 マークスに戦慄が走る。
 一人にされただけであまりに気持ちよくてあっさり射精させられたパイズリを今度は二人で…
「ちょっと待っ…」
「それぇっ♪」
「ふぁぁぁぁぁぁっ!?」
 ペニスの両側から、二人のリィズが巨大な乳房を押し付けてきた。
 四方からむちむちと押し付けられる柔らかい感触にマークスの理性が削られていく。
「ぐぅっ、あぁっ、あうぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「あんっ、マークス様のペニスがびくんっ、びくんって震えてますわ」
 あまりの快感にマークスのペニスが大きく震える。
 しかしいくら震えようとも4つの巨大な乳房に受け止められ、その柔らかさをますます強く味わうだけであった。
「気持ちいいのですね、ではいっぱいしごいてあげます」
 そしてその4つの巨大な乳肉がマークスのペニスに快感を与えようと動き出す。
 その快感たるや先ほどの倍どころか、乗算されてるのでは、と思うほど。
「うぎぃぃぃぃっ!?」
 もはやマークスはまともな言葉を発する事すらできない。
 だがリィズは全く容赦なくパイズリを続ける。
「ほらっ、ほらぁっ、マークス様ぁ、もっと気持ちよくなってくださぁい」
「二人のわたくしの胸にペニス挟まれてぇ、精液たくさん出してほしいですわぁ」
 むにゅる、むにゅる、ぬるんっぬるんっ。
 二人のリィズの爆乳が卑猥に形を変えながら、激しくペニスをしごき続ける様は視覚にも迫力があり、場の雰囲気もますますいやらしくなっていった。
「い゛い゛っ、いいいぃぃぃぃっ!!」
「あは、もうすぐ出ますわね、マークス様の精液♪」
「いっぱい出せるよう、わたくしも頑張りますわ」
 そうしていよいよマークスの射精が近いのを感じると、ラストスパートとばかりにパイズリがさらに勢いを増す。
 その様は、まるで乳房がペニスを蹂躙してるのでは、と思わせるほどだった。
 あまりにも大きく柔らかな乳肉がにゅるにゅるとペニスにからみつき、ついにマークスのペニスが限界を迎える。
「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」

 どっぷぅん!!どぷっどぷっどぷっ、びゅるびゅるびゅるびゅる…!!

 絶叫とともにマークスはこれまでにないくらい大量の精液をペニスから吐き出してしまった。
 飛び出した精液は勢い良く吹き上がり、リィズ達の胸どころか顔や髪にまでかかっていく。
「やぁん!すごいですわマークス様、精液こんなにいっぱい」
「もっとかけてください、わたくしの顔も髪も、もっとマークス様の精液で染めてください」
 それを二人のリィズは歓喜の表情で自ら望んで受け止めていった。
 そうしてしばしの時間、快感に酔いしれた後…
「はぁっ、はぁっ…本気で頭おかしくなるかと思った…」
 ようやくマークスは正気を取り戻す。
 しかし体にはまだ力が入らず、まともに動く事ができないでいた。
「マークス様ぁ…」
 だが。
 そこにまた新たにもう一人リィズが近づく。
「まだ終わりじゃありませんわ…今度は3人でしてあげます♪」
「!?」
 もはやマークスは言葉すら出ない。
 Wパイズリであれほどの天国のような地獄を味わったというのに、間髪いれずに次はトリプルパイズリだ。
 今度は正気に戻れないかも…マークスは強くそう思った。
 
 
 
「思いのほか、手こずらされましたわ。まさかたった10万人相手にわたくし達が30万人以上つぶされるなんて…」
 激しい戦いで少なからず数を減らしたリィズ達。
 生き残ったリィズもみな大なり小なり傷を負っている。
「けれど、ここまでですわね」
 それでも70万弱残っているリィズ達にフレミア達は取り囲まれていた。
 現在、フレミアが3人、アイリスとメイファーが二人ずつ。
 10万人いた彼女達はいまやたった7人にまで数を減らしていた。
「健闘したのは認めますわ。でも、これが現実ですわ」
 勝ち誇った笑みを浮かべるリィズ、対するここまでかろうじて生き残ったフレミア達はみな傷だらけでボロボロ…もはや戦う力は残っていない。
「あとはあなた達を始末すれば終わり。あなた達は完全に死にますわ」
 欠員を補充できるレギオンといえど、全滅してしまえばもう復活はできない。
 本当の意味で死んでしまうのだ。
 フレミア達はいよいよ死ぬ寸前まで追い詰められてしまっていた。
「くそっ…」
 それでもフレミアは決して諦めてたまるかと火の玉を出す。
 同じくアイリスも氷の針を出し、メイファーも拳を構えた。
 だが火の玉も氷の針も小さくメイファーも足がふらついていて、まともに戦う事はできそうにない。
「まだやる気ですの?もうあなた達に勝ち目なんてありませんわよ。抵抗なんて無意味ですわ」
 冷たく言い放つリィズ。
 それにフレミアはこう答えた。
「意味があるかないか、決めるのは貴様ではない…私達だ」
「そう…」
 もう何を言っても無駄、そう判断したリィズはこれを最後の攻撃とする。
「ならば死になさい」
 リィズ達の電撃が全方位からフレミア達に襲い掛かった!!
 これをかわす事も防ぐ事も到底できない!!
「くぅっ!!」
 この時、フレミア、アイリス、メイファーの気持ちは完全に一致していた。
 
(マークスに会えないまま、こんな所で終わりたくない!!)

 その瞬間。
 彼女達の体が発光し、眩い閃光が放たれた。
 
 
 
「今の光は…」
 その光は館でリィズに犯されっぱなしのマークスにも届いた。
 窓の外が光ったのを彼は確かに見たのだ。
「まさか、あいつら…」



「何が起きましたの…?わたくしの電撃がかき消されるなんて…」
 閃光に目をくらませたリィズがようやく視界を取り戻した時、そこには驚くべき光景があった。
「これでようやくまともに勝負できるな…」
 7人にまで減っていたはずのフレミア、アイリス、メイファー達が何十万という数まで増えていたのだ。
「フレミア25万!」「アイリス10万!」「メイファー15万!」
「全員合わせて今度は50万人だっ!!」
 人数は元の10万人から一気に5倍にふくれあがっていた。
「まさか、こんな時にレベルアップするなんて!?しかも3人とも!?」
 目の前の信じがたい光景にリィズは驚いている。
 だがある事に気づくとリィズはすぐに冷静さを取り戻した。
「でも…それでも50万です。わたくしを相手にするにはまだ足りませんわ、だってわたくしはまだ70万弱残っていますのよ?」
 そう、レベルアップしたにも関わらずまだリィズの方が多いのである。
「あなた達に勝ち目はない、というのは依然として変わっていませんわ!!」
「それはどうかな?」
「なんですって?」
 予想外に自信ありげなフレミアの態度にリィズが少し苛立つ。
「あなた自分で言ってたじゃない。10万人のあたし達に30万人以上つぶされた、って」
「5倍になった今のボク達なら、単純計算で150万人倒せるよ!70万弱くらいむしろ楽勝だもんね!!」
 そこにアイリスとメイファーがその自信の根拠を話してみせた。
 だがその無茶苦茶な理論にリィズもさすがに怒り出す。
「そ、そんな机上の空論でわたくしが倒せるわけないでしょう!!バカにしてるのですか!!」
「机上の空論かどうかは…戦ってみればわかる!!」
 50万人のフレミア、アイリス、メイファーが70万人弱のリィズに立ち向かっていく!!
「反撃開始だっ!!」



(間違いない…さっきの光。あいつらがまたレベルアップしたんだ!)
 一方、マークスの方もフレミア達がレベルアップした事を察していた。
(ってことは…あいつらまだ諦めてないって事だ…だったら!俺もいつまでも犯られっぱなしでいるわけにはいかない!俺は俺でできる事をしないと!)
 フレミア達の奮闘で自分も闘志が沸いたのか、マークスもこの状況を変える決意を固めた。
「マークス様、次はどうしてほしいですか?わたくしの中にペニス入れたいですか?それともまた胸で挟んでほしいですか?」
 いやらしい笑みを浮かべてマークスを見つめるリィズ達。
 それにマークスは真剣な表情で話し始めた。
「リィズ…ベッドに仰向けになってくれ」
「えっ?」
「さっきからリィズにしてもらってばかりだからよ。今度は…俺の方からしてやるよ」
 普段のマークスならまず言わないセリフである。
 だがこれを聞いたリィズは…
「わっ!?わかりましたっ!?」
 顔を真っ赤にして、言われるままにベッドに仰向けになった。
「わ、わたくしどんなに激しくされても、耐えてみせますわ…」
(何されると思ってんだ)
 若干リィズは勘違いしてる気もするが、今はそんな事つっこまない。
 そうしてベッドに寝転ぶリィズに近づこうとしたマークスは…
「おぉっと足が滑ったぁ!!」
 “わざと”足を滑らせて転び、頭を思い切り床に叩き付けた。
 当然そんな事をすれば頭に怪我を負ってしまう。
「きゃーっ!?マークス様っ!?」
 マークスが頭を怪我したのを見てリィズは大慌て。
 すぐさま魔法で怪我を治療してみせたが…
「うぐぐ…怪我は治ったけどまだ痛みそのものはちょっと残ってるな…わりぃ、少し休ませてもらえるか?」
「わかりましたわ」
 何の疑いもなくマークスを休ませる事にしたリィズ。
 さすがにこの状況ではリィズもマークスを性的に襲う事はないようだ。
(よし、計算どおり!!)
 これこそがマークスが咄嗟にではあるが考えた作戦であった。
 マークスが今この場でやるべき事。
 それは「これ以上リィズに精液を提供しない事」だった。
 リィズ相手に射精すると倒したリィズが復活してしまう事になる。
 それではフレミア達が不利になるのでそれを阻止したいがための行動だった。
(リィズを騙した事になるのはちっと気が引けたがな…)
 ぽふっ
「へっ?」
 突然マークスの頭が何か柔らかいものの上に寝かされた。
「マークス様。わたくしの膝の上でお休みください」
 優しく語り掛けるリィズ。
 それでマークスは自分が膝枕をされたのだという事を理解した。
「ふふふ、こうしていると子供の頃を思い出しますわ」
「そうか?」
「えぇ、あの頃木に登ろうとして落ちたマークス様が頭を打たれて、今みたいに膝枕をした事がございますの」
「えぇっ、そうなのか!?木登り失敗して落ちた事あるのは覚えてるが膝枕までは…」
「他にもいろいろありますわ、例えば…」
 楽しそうに思い出を語るリィズはとても朗らかで温かみのある表情をしていた。
 それを見てマークスは少し複雑な気分になる。
(そんな顔も出来るんじゃないか…)



「はぁっ!!」
「きゃあっ!!」
 フレミアの攻撃でまた一人リィズが倒れる。
 リィズは焦り始めていた。
「そんな馬鹿な!人数で劣っているあなた達が、何故わたくしと互角に戦う事ができますの!?」
「わからないのか?」
 フレミアが不敵に笑いながら話し始めた。
「言ったはずだぞ。一人当たりの戦闘能力は貴様は私達より若干劣ると。その実力差を補っていたのが、貴様の100万人という圧倒的人数だ。10万人を相手にするなら全く問題はなかったろう」
 しかし、と話を区切りフレミアは続ける。
「今は50万対70万弱だ。ずいぶんと差が縮んだなぁ?この程度の差なら…あとは実力差でカバーできる!!」
「なんですって!?そんな簡単に…」
「もちろん口で言う程簡単ではない、だが貴様相手なら…私達より弱い貴様相手ならば、実現は可能だ!!」
「なっ…」
「レギオンは、ただ大勢いれば良いというものではない!!一人当たりの実力や連携も重要なのだ!!貴様はそれをわかっていなかった!!」
「くぅっ…!」
 フレミアの厳しい指摘に表情を歪ませるリィズ。
 だが、それなら…
(また奴らにしがみついて自爆を…!)
 一人のリィズが自爆に巻き込むためフレミアに近づいた。
 しかし。
「いい加減そのパターンは見切った!!」
 即座に反応したフレミアの反撃でリィズは自爆するより前に倒されてしまう。
「自爆戦法はそろそろ自重した方がいいぞ?戦力を無駄に減らすだけだからな」
「うぅっ…」
 ニヤリと笑うフレミアに気圧されるリィズ。
 だが、今更リィズも退く気はない。
「まだ、まだわたくしは負けていませんわ!!」
 なんとしてもここでフレミア達を殲滅するため食い下がる。
「貴様達を全員倒して、マークスのもとまで辿り着いてやる!!」
 当然、フレミア達もマークスを奪還するため、リィズと戦い続けた。
 
 
 
「それでマークス様ったら…」
「えぇ~っ?俺そんな事したっけ?」
 いまだに思い出話に花を咲かせるマークスとリィズ。
 マークス自身ものってきたのか積極的に自身の思い出を語り続ける。
(フレミア達、どうなったかな…あれからけっこう経つんだが…)
 それでも、外で戦っているフレミア達の事は気になっていた。
「えーと、けっこう色々話したなぁ。他にどんな事があったっけ?」
「ならばこれはいかがでしょう?マークス様が一時間で…」
 と、話し始めた所で急にリィズの表情が険しいものに変わった。
「マークス様、危ないっ!」
「えっ?」
 リィズがマークスを守るように抱きしめたその瞬間、

 ドゴォォォォォォン!!

 館の壁が外からの攻撃で崩壊、壁のほとんどが崩れ落ち外の様子が丸見えとなった。
 そしてそこにあったのは…
「マークス!!助けに来たぞ!!」
「うふふ、やぁっと見つけたわよぉ」
「マークスさーん、ボクもここまで来たよーっ!!」
 フレミア、アイリス、メイファーというマークスにとってはなじみの顔だった。
「みんな!無事だったか!!」
 ようやくの再会に安堵するマークス。
 一方でリィズは怒りのこもった目でフレミア達を見つめている。
「くっ…とうとうここまで来てしまいましたのね」
「そうだ。外にいた貴様は全員倒して、ついにここまで来たぞ」
「マジでか」
 思わずそうつぶやくマークス。
 彼女達がここに来た以上結果はわかってはいたが、実際に99万人倒してきたと言われると驚くなという方が無理な話だ。
「まさかあなた達がここまでやるとは、完全に計算外でしたわ…でも!!」
 マークスのそばに残っていた一万人のリィズが集まり、マークスを守るように囲んできた。
「マークス様は渡しませんわ!!」
 あくまでもリィズは徹底抗戦の態度を崩さない。
 それをフレミア達は冷ややかな目で見つめていた。
「…外の連中との戦い、勝つには勝ったが私達も随分数を減らされたな」
「それでも、20万人くらい残っているわ」
「このくらいの数を相手にするには十分だよね」
「そうとも。今更その程度の数で…私達を止められると思うなぁっ!!」
 残り一万のリィズを駆逐しようとフレミア達が攻撃をしかけた。
「きゃあああああっ!!」
 当然、一万人のリィズでは20万人を止められるわけもなく、リィズ達は瞬く間に蹴散らされていく。
「うわぁ…」
 幼馴染の女性が目の前で次々殺されていくのを目の当たりにし、マークスは顔をしかめた。
 そして…
「とうとう…残ったのは貴様一人か」
「ひっ…」
 100万人いたリィズも、とうとう生き残っているのは一人だけとなってしまった。
 完全に孤立してしまったリィズは明らかに怯えた様子を見せる。
「どうだ?貴様の最大の強みである100万人というアドバンテージを失った気分は」
 ここぞとばかりに、フレミアはリィズが言った嫌味を若干変えて言い返す。
「ちょっとあなたはやりすぎたわね。あなたはここで終わりよ」
 冷たく言い放つアイリス、その目は静かに殺意がこもっている。
「いくら同族といえど、やっていい事悪い事があるっ!!マークスさんを奪おうとしたお前をボクは許さない!!」
 比較的温厚なメイファーでさえ、リィズの行動は相当頭にきているようだった。
「リィズ…」
 ただ一人マークスだけが…複雑な表情でリィズを見つめていた。
 そして何を思ったのか、マークスがリィズに向かって一歩踏み出したその時。
「い…嫌、ですわ…」
「へ?」
「嫌ですわっ!!わたくしはここでマークス様とずっといっしょに暮らすんですっ!!」
 そう叫んだリィズの方からマークスにしがみついてきた。
 リィズは怯えて震えながらも、その表情は鬼気迫るものがある。
「貴様っ!!この期に及んでまだ言うか!!」
「さすがに往生際が悪いわよ」
「もう観念しろぉっ!!」
 リィズの態度にますます苛立つフレミア達。
 もう今にもリィズにトドメをさすんじゃないかと思われた。
 だが。
「嫌ですわ、あなた達なんかに…」
 まるで呪うような不気味な声色で、
「わたくしとマークス様の未来を邪魔されてたまるもんですかっ!!」
 リィズがそう叫んだ時、
 彼女の体が“発光”し始めた。
「まさかっ!?」
「いけないっ!?すぐにトドメを…」
「させるもんかっ!!」
 それが何を意味するか理解したフレミア達が慌ててリィズにトドメをさそうとするが…
 時既に遅く。
 
 彼女の体から閃光が放たれた。
 
 
 
 しばらくして、ようやく閃光がおさまり視界が元に戻る。
 だがそこにあったのは、もはや絶望と呼ぶべき光景だった。
「やりましたわ…わたくしやりましたわ!!」
 歓喜の表情を浮かべるリィズの姿が、
「わたくしにも出来ましたわ…レベルアップ!!」
 レベルアップによって100万人をも超える数ほど存在していた。
「わたくしのマークス様への愛が奇跡を起こしましたわ!!やはり最後に勝つのはわたくしなのですわ!!」
 もはや狂気すら感じさせるリィズの笑顔。
 対するフレミア達は今度こそ心が折れていた。
「うかつだった…奴もレギオンである以上こういう可能性は考えておくべきだった…」
「これは…今度こそ終わったわね…」
「そんな…あと一歩まで追い詰めたのに…」
 目前にしていた勝利を手放した代償は大きい。
 フレミア達は無数のリィズに囲まれ、今まさに絶体絶命であった。
「今度のわたくしは200万人ですわ!!これで今度こそあなた達を一人残らず殺してさしあげます!!」
「リィズ…」
 そこになにやら真剣な表情のマークスがリィズに近づき声をかけてきた。
「もうその辺でやめ…」
「マークス様、あと少しだけお待ちください。今すぐにこの邪魔な女たちを皆殺しにしてみせますわ!」
「!?」
「さぁ、散々手を焼かされてきましたけど、これで今度こそ終わりに…」
「リィズっ!!」

 パンッ!
 
「えっ…?」
「いい加減にしろっ!!」
 信じられない、といった表情を浮かべるリィズ。
 マークスの平手がリィズの頬を叩いたのだ。
「誰がこんな事してくれって頼んだ!!」
 続けざまにマークスの口から飛び出す怒声。
 マークスの顔も明らかに怒っている様子だ。
「こいつらは、こいつらはなぁ…俺にとって大切な人達なんだよ!!こいつらに死なれちゃ嫌なんだよ!!こいつらに手を出そうってんならいくらリィズでも許さねぇぞ!!」
「あ…わ、わたくしは…ただ…マークス様と、いっしょに…」
 頬を叩かれた上に激しく怒られた事でリィズは激しく動揺している。
「なぁ、リィズよぉ…お前どうしちまったんだよぉ…お前こんな奴じゃなかっただろぉ…」
 一転して今度は悲しそうな声色でマークスはリィズに語りかけた。
「昔のお前は大人しくて優しい子だったじゃねぇかよぉ…それがどうしてこんな風になっちまったんだ……」
「あ…あぁぁ…」
 マークスの語りかけに、リィズは言葉を失っている。
「俺こんなリィズ嫌だ…」
「!?」
 そして、その言葉でリィズの中で何かが壊れた。
「もうやめてくれよ、こいつらが殺されんのも、昔のリィズとの思い出が汚されんのも、もう嫌なんだよ…」
 そう言ってマークスはリィズを見つめる、心底悲しそうな顔で。
 すると…
 
「う…うわあああああああああああああああん!!!!!」

 リィズは突然泣き始めた。それも大声あげての大号泣。
 恥も外聞もなく子供のように泣きじゃくった。
「なっ…なんて声量…!?」
「耳が痛いわっ!!」
「まさか全員いっぺんに泣き出すなんて…」
 しかも、よりによって200万人のリィズが同時に泣き始めたためとんでもない大音量になっていた。
 思わず耳をふさいでも全く効果がないほど。
「お、おいリィズ…」
 マークスもこの反応に戸惑っていると…
「ごめんなさああああああい!!」
 リィズが泣きながら謝ってきた。
「もうしません!!反省します!!もう二度とこんな事しませんからっ!!だからっ!!」

「わたくしを嫌いにならないでくださいっ!!わたくしマークス様に嫌われたら生きていけませええええんっ!!うわあああああああああああああん!!!!」

 リィズの、心の底からの大絶叫だった。
 ついさっきまでフレミア達を殺そうとしていた女性とはとても思えなかった。
 事実、殺されかけたフレミア達が唖然としている。
「だ、大丈夫だ、別に嫌いになったわけじゃねぇから…」
「本当ですか…ううあああああ…」
「本当だって…だから、とりあえず泣き止んでくれ…」
「は、はい…ううぅぅぅ…」
 マークスがなだめる事によって、どうにかリィズは少しずつ落ち着いていく。
 大音量の泣き声もなんとか静まっていった。
「…なんなの?この展開」
 呆然とした状態のアイリスのつぶやきに、フレミアはこう返した。
「一つだけわかったのは、マークスがたった一人で200万人を止めたという事だ。やはりマークスはすごいな。惚れ直したぞ」

 それからしばらく経って。
「もう平気か?」
「なんとか…うぅ…」
 まだ半べそをかいているがとりあえずまともに話ができるくらいには落ち着いた。
「ごめん、なさい…マークス様…」
「俺の方はもういいよ、俺よりみんなに謝りな」
 マークスに促され、リィズは泣きはらした顔のままでフレミア達に向き直った。
「ごめんなさい。わたくし、皆さんに迷惑かけてしまいました。本当に、ごめんなさい」
「はぁ…」
 としか言えないフレミア達。
 自分達を殺そうとした相手が大泣きした挙句にこんな弱弱しい態度で謝ってきたのだ。
 なんと答えたら良いかわからない。
「みんな。俺の方からも謝る。今回は巻き込んで悪かった」
「な、なんでマークスまで謝るんだ!?お前は何も悪くな…」
「いや、今回の事件の原因の一端は俺にあったんだ」

 マークスはリィズが昔一緒に遊んだ幼馴染である事。
 その当時にした結婚の話を実現したいがためにリィズがこんな強硬手段に出た事を話した。
 
「俺がもっと早い段階でリィズを止めてりゃここまで大事にはならなかった。本当にすまなかった」
 マークスは頭を下げ、フレミア達に心の底から謝罪した。
「殺されかけたみんながリィズを怒るのは当然だが…それでも、リィズを許して欲しい。リィズは本当は優しい子なんだ。今回はちょっとやりすぎてしまっただけなんだ…」
 リィズの助命を懇願するマークス。
 それにフレミア達は…
「…わかった。もういい、許してやる」
「フレミア!」
「他ならぬマークスの頼みだし、何より私自身そいつを殺す気が失せてしまった…」
「ボクも同じだよ。あんな大泣きしながら謝る姿見せられちゃ、ねぇ…」
「まぁ、今回のオイタに対するおしおきは、もう十分かしらね」
 意外とあっさり折れてくれた。
 フレミア達もすっかり怒気を抜かれてしまっていたのが大きな要因だろう。
「ありがとう、ありがとうみんな…」
「と、ところで…さっき言ってた事なんだが?」
「へ?」
「ほら、私達が大切な人達なんだ、って…」
「あ!あー…」
 先ほどの発言についてつっこまれ少し顔を赤くするマークス。
 それでも少しずつ自分の心境を話し始めた。
「…正直に言うと、俺はお前らの気持ちにどう答えていいかわからなかった。お前らといっしょに暮らしていたのはただの成り行きだったから。けど…お前らが殺される、って思った瞬間、それは嫌だとも思っちまった」
「マークス…」
「そうなったらよ…もうこの気持ち、認めるしかないなって思うんだ。だから言わせてくれ」

「俺、お前らが好きだ。これからも一緒にいてくれ」

 ついに自分の胸のうちをフレミア達に晒したマークス。
 この言葉にフレミアは…
「ううぅぅぅぅぅぅ…」
 ぽろぽろと涙を流し始めた。
「うぇぇぇぇ!?意外な反応が返ってきた!?」
「だって…だって、マークスが、初めて、私の事を、好きだって言ってくれたぁ…」
「嬉しいよ。マークスさん、ボクも、マークスさんが大好き。これからも、ずっといっしょにいたいよ」
「マークス、あたしといっしょに暮らすからには、一生退屈なんてさせないから、覚悟しておきなさい」
 三者三様の反応を示すものの、全員喜んでいる事には変わりない。
 涙を拭いながらフレミアが声をあげる。
「よし、これからも私達はずっと一緒だ!!」
「あ、待った」
 と、ここでマークスから待ったがかかった。
「その“私達”に…こいつも加えてやってくれ」
 そう言ってマークスが見つめた先には、
「一緒に来てくれよ、リィズ」
「!?」
 ようやく泣き止んだが目が真っ赤の幼馴染の姿があった。
「わ、わたくしが!?」
「お前も、俺の大切な人には違いないんだ」
「で、でもわたくし、マークス様の大切な方達に、ひどい事を」
「もうそれは許したって。それに殺されかかったのはリィズも同じだろ?ほら、たった一人になって追い詰められた時。本当はあの時みんなを止めようとしたんだぜ?」
「そうなのですか!?」
「今回の件、俺も正直大変な目にあった(気持ちよかったけどさ)。あの時リィズが殺されそうになったのもはっきり言って自業自得だった。それでも…やっぱりリィズが殺されるのは嫌だと思ったよ」
「マークス様…」
「だってさ、小さい頃大好きな友達だったリィズが再会したらこんな美人になってて、やり方こそ盛大に間違えたが俺をここまで好いてくれて、膝枕してもらいながら思い出話したのも楽しくて…そんな人を死なせたくないと思うのも、これからも一緒にいたいと思うのも、当然じゃないか?」
「あ…」
 マークスの優しい言葉に再び涙を流すリィズ。
 しかし涙の種類はさっきとは違う。
「…って、再会するまで忘れてた俺が言っても説得力ないか?」
「そんな事…ありませんっ!!」
「おわっ!?」
 突然マークスはリィズに抱きつかれた。
「嬉しいです!!わたくし、これからもマークス様のおそばにいます!!」
 嬉し涙を流しながら、リィズはマークスを強く抱きしめる。
「あぁ、せっかく再会できたんだ。これからも仲良くやろうぜ、リィズ」
 マークスもリィズの体を優しく抱きしめ返した。
「フレミア、アイリス、メイファー…頼むよ。今回は俺のわがまま聞いてくれ」
「…まぁ仕方ない。マークスが言うから特別だぞ?」
「今更レギオンが一人増えたくらいじゃ驚かないわよ」
「これから仲良くやろうね、リィズさん」
 フレミア達もリィズの加入をあっさりと受け入れてくれた。
「ありがとう、みんな…よし、いろいろあったがこれでやっと帰れるな!」
 これで今回の事件は全て終わった。
 最終的にはリィズとの和解という形で決着をつけられた。
 長く苦しい戦いではあったが、全員が無事に乗り越える事が出来たのだ。
 マークスにとってそれは最高の大団円であった。
「帰ろうぜ!!俺達の住処に!!」





「あ、ところでマークスよ」
「なんだ?」
「私達の補充…頼みたいのだが?」
「う、そうか、それもあるのか…一体何人ほど…」
「レベルアップして合計50万人になって、その後の戦いで…30万人ほどやられたか」
「30万回射精しろってか!?」
「いえ、それはないですわ」
「えっ?」
「30万回ってのは一回の射精で一人復活できるとした場合の計算でしょう?」
「ああ、以前フレミアの補充をした時はそうだったが」
「今回の戦いでわたくし、マークス様の精液を補充に使わせていただきましたけど、一人なんかじゃなくもっといっぱい蘇らせる事ができましたわよ」
「そうなのか?」
「恐らく以前と比べてマークス様自身もレベルが上がって、精液のエネルギーも飛躍的に上がったのではないでしょうか」
「なるほど…」
「今のマークス様なら30万回も射精しなくても、もっと少ない回数でフル補充できますわ」
「そうか…そりゃ良かった」
「3000回程度で十分ですわ♪」
「あぁ、それくらいなら………いや良くねぇーーーーーーっ!?それでも十分多すぎるからぁ!!やべぇ、一瞬少ないって思っちまった!!俺もだんだん感覚がマヒしてきてるっ!?」
「マークス…このままここで抱いてくれないか…」
「そうね、あたしもそろそろ我慢できなくなってきたし…」
「マークスさぁん…Hしよぉ…」
「ちょ、待っ…ちくしょー今回は綺麗に終われると思ったのにーっ!!」

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