2ntブログ

レギオン 第三話

第三話です。
ギャグシーンもけっこう書くの楽しかったです。

ジャンル…分身、逆レイプ、ハーレム

以下本文

「ふふふ、マークスとデートだ♪」
「おい…あまりくっついて歩くな恥ずかしい」
「何言ってんの、あたし達とあんな事こんな事までして今更これくらい」
「いやここ町中ぁ!!人目あるから自重してぇ!!」
 マークスはひさしぶりに町へとやってきていた。
 当然フレミアとアイリスも一緒、二人は両側からマークスと腕を組んで歩いている。
 かなりの美女であるフレミアとアイリスは道行く人から注目を浴びていた。
(町の人はみんなフレミアとアイリスが魔女だって事を知らないんだな。まぁあんな辺境に住んでれば当然か)
 …そしてそんな美女二人と仲良さそうに歩くマークスは若い男達から睨まれている。
(全く…俺の苦労も知らないで…)
 一日の大半の時間、何らかの形でフレミア達に性的接触を受ける今のマークスの生活。
 うらやましいと言う人もいるだろうが、実際こんな生活を毎日続けているマークスは大変なのである。
 そんな中、こうして町に来る事ができたのは良い機会だと言えるだろう。
「町に来るのは本当にひさしぶりだ。今日はこの町で適当にのんびりと…」

 ドガァッ!!

「な、なんだぁ!?」
 突然、近くの店の中から柄の悪そうな男がふっ飛ばされて外に転がってきた。
 男は慌てて立ち上がると店の中に向かって大声で叫ぶ。
「てめぇこの女!よくもやりやがったな!!」
「おじさんが悪いんでしょ?店員さん嫌がってたのに、何回もお尻触って」
 その男をふっとばした張本人と思われる人物も店から現れる。
 意外にも、それは少女だった。それも普通の少女ではない。
 まず髪の色。この国ではまず見られない黒髪だ。
 次に服装。格闘家、武道家がよく着る胴着と呼ばれる服を着用している。これもこの国では見られない。
 そして…少女はかなり可愛らしい顔立ちをしていた。男なら誰もが興味を惹かれるほど。
 フレミア、アイリスが美女なら彼女は美少女と呼んでいいだろう。
「くそがぁ!生意気言いやがって!!おぃ、てめぇら!!」
「へい、兄貴!!」
 男に呼ばれ、子分らしき男が4名現れる。
「袋叩きにしてやる!覚悟しろ!」
 どうやら男は子分とともに少女に報復を仕掛ける気のようだ。
 これを見たマークスが剣を手に取る。
「おいおい、女の子相手に男が5人がかりとかみっともないぞ」
 そして素早く男達に近づくと…瞬く間に子分4名をみね打ちで気絶させた。
「なぁっ!?」
 突然の事に驚く男。不意打ちとはいえあまりにも早くやられた事が信じられないようだ。
「あらら、子分たちはみーんな寝ちゃったみたい」
 それを見た少女の方は挑発的な笑みを浮かべる。
 男はそれを見てますます頭に血がのぼった。
「この…てめぇなんか俺一人でじゅうぶんだっ!!」
 完全に怒った男が真正面から少女に突撃する。
 それに対し少女は拳を構えると…
「ハァッ!!」
 カウンターで男の鳩尾にパンチをめりこませた。
「ぐぼぉっ!?」
 まともにくらった男はあまりの痛みに腹をおさえながら、程なくして地面に倒れ気絶した。
「おぉ、すげぇ…」
 思わず感嘆の声をあげるマークス。
 それほどに少女の攻撃は鮮やかだった。
「あの娘強いな。動きに無駄がない。あの歳であの実力はたいしたものだ」
 感心しているのはフレミアも同じだ。
 彼女から見ても少女の実力はかなり高いようだ。
「おにーさん、ありがと♪」
「えっ?あぁ、うん。どういたしまして…」
 その時、少女の方からマークスに声をかけてきた。
 手助けした事に感謝している様子だ。
「おにーさん強いんだね~」
「君も相当強いじゃん、正直俺が手出さなくても一人で5人倒せたんじゃないかな」
 これは本音である。彼女の実力ならあの程度のチンピラ5人は楽に倒せたと思っている。
「それにお人好しだね、普通他人のケンカになんか関わらないよ」
「う…それはその…つい」
「大丈夫、ボクはそういうの好きだよ。ねぇ、これからヒマ?」
「へ?まぁ特にこれといった用事はないけど…」
「じゃあ助けてくれたお礼に今日はこれからおにーさんに付き合ってあげる!」
「えっ?」
「なんだと!?」
 これに難色を示したのはフレミアだった。
「なにを勝手な事を、それではせっかくのむぐぅ!?」
 だがフレミアの口をアイリスがふさいで強引に黙らせる。
「かまわないわよ、その方が面白そうだし」
「やったぁ♪」
 勝手に話が進んでいくが、肝心のマークスはまだOKしていない。
(けど今更断れる雰囲気でもないよなぁ…)
 結局流される形で、マークスはこの少女と付き合う事になった。
 
「そういえばまだお互い名前も知らないね、ボクはメイファー!」
「俺はマークス、こっちはフレミアとアイリスだ」
「マークスさんは剣士だよね、そっちのおねーさん達は?」
「この二人は魔…魔法使いだ」
 さすがに魔女と言うのはまずいと思い、お茶を濁す。
「そういう君は?かなり鍛えてそうだけど」
「ボクは格闘家!以前は故郷で修行してたんだけど、もうそこでできる事は全部やっちゃって。それで旅に出たの!目的は二つ、一つは自分をさらに鍛えてもっと強くなるために!もう一つは…ヒミツ!」
「なるほど、君は異国から来たのか。どうりでこの辺では見かけない感じの子だと」
「そういうマークスさんは?この町に住んでるの?」
「いや、俺は今日たまたまこの町に来ただけだよ。普段は…もっと遠い所に住んでる」
「へぇー、そうなんだー」
 けっこう会話の弾んでいるマークスとメイファー。
 その様子をフレミアは面白くなさそうに見ている。
「むぅー、せっかくのデートなのにマークスが私に構ってくれない。だから私は嫌だったのだ」
「年下相手にやきもちやくんじゃないの。言ったでしょ?いい男に女が集まるのは当然だって」
「わかってる。私だって他の女と仲良くするなとは言わん。でも今日はデートなのだぞ?もっとイチャイチャグチュグチュしたかったのに…」
「後半それ明らかにチンポ入ってるわよね」
 フレミアが愚痴ってる間にもマークスとメイファーの会話はさらに進む。
「ねぇ、マークスさんはどうやってあんなに強くなったの?」
「えっ?俺は…その…フレミアとアイリスに鍛えてもらってる。あいつらすげぇ強いから」
 毎日行っている戦闘訓練の相手を(100人以上の)フレミアとアイリスにしてもらっているので一応事実ではある。
 終わった後必ず押し倒されて性交に突入するがそこは黙っておく。
「へぇー、あの二人が…」
 ちらりと二人の様子を見た後、メイファーが尋ねてきた。
「ねぇ、マークスさんとあのおねーさん達はどういう関係?」
「は?か、関係と言われても…」
 いきなりつっこんだ質問をされしどろもどろになるマークス。
「やっぱり彼女さんなのかなー?」
「いいっ!?いやそれは違…」
「ほぉ、なかなか鋭いな、メイファーとやら」
 彼女、と言われた事で今まで不機嫌だったフレミアが途端に上機嫌になった。
「まぁ、彼女というよりは嫁と言う方が近…」
 ビシッ!!
「あうっ」
「嘘をつくなっ!!」
 マークスのチョップを受けてフレミアが可愛い悲鳴をあげる。
「別に嘘ではないだろう。ちょっと未来の関係を先取りしたくらいで」
「勝手に決めんじゃねぇ!!」
「じゃあセフレ?」
 ズビシッ!!
「きゃんっ」
「アイリスまでなんて事言うんだっ!!」
 今度はアイリスにチョップが炸裂。
「そこそこ的をいてると思うんだけど…」
「メイファーの前でなんちゅう単語を出すんだ!!」
「あっはっは!!マークスさん愛されてるんだねぇ。こんなきれーなおねーさん二人に愛されてるなんて、マークスさんはすごい女たらしだね!!」
「ウボァー!?」
 メイファーの悪気のない言葉にマークスは奇声をあげてがっくりと膝をついた。
「女たらし…俺の人生どうしてこうなった…」



 その後もマークス達とメイファーの他愛もない会話は続いた。
 そうして会話をしながら町中を適当に歩き、時折気になる店を見つけては些細な買い物をしたり、面白い景色が見えたらそれを楽しんだり。
 本当に何てことない普通の時間を過ごした。普段色々な意味で濃い日々を過ごしていたマークスにとってひさしぶりに心安らぐ時間であった。
 
 
 
「ほら見て、ここからなら町が一望できるよ!」
「おお、これはなかなか…しかも夕焼けもよく見えて綺麗だな」
「ふむ。なかなか悪くない光景だ」
「そうね、たまにはこういうのもいいわね」
 夕方になった頃、一同は町外れの山の頂上に来ていた。
 ここから眺める町の光景、及び夕焼けが非常に綺麗だと聞いたからだ。
 そしてそれは事実であった事を実感している。
「さてマークス。さすがにもうすぐ日が暮れる。そろそろ帰らないか?」
「そうね、夜に女が出歩くのは危険だもの」
「お前らは襲われたって返り討ちにできるだろう」
 むしろ襲ってきた方の命を心配するべきである。
 それはさておき、そろそろ帰らないといけないというのはマークスも感じていた所。
「メイファー、俺達そろそろ帰るよ」
「えっ?」
 その言葉にメイファーは寂しそうな表情を浮かべる。
「今日はありがとう。おかげで色々楽しかったよ」
「そっか…もう、帰っちゃうんだ………ねぇ、マークスさん…また会う事って出来るかな?」
「えっ?それは…」
 マークスが少し戸惑った様子を見せたその時、
「見つけたぜ!クソ女!!」
「この声は…!?」
 突然あたりに響く下品な声。
 それと同時にマークス達を大勢の男が取り囲んだ。
 その中から見覚えのある一人の男が前に出てくる。
「お前…メイファーにやられた…」
「さっきはよくもやりやがったな…もう泣いて謝っても許さねぇぞ!」
 それはこの町に来た直後、メイファーにあっさり倒されたチンピラの男であった。
 そしてその事をかなり根に持ってるようだ。
「この人数…どうやらただのチンピラではなかったって事か」
「そうさ、俺達はこの辺りを縄張りにしてる山賊団よ。ここに集まったのはみんな俺の部下よ!!」
 自信満々の様子で男は自分達の正体を嬉々として語る。
「今度こそてめぇも終わりだ!!俺様を怒らせた事、後悔させてやる!!」
「何を偉そうにしてる」
「…親分!?」
 そこに別の男が割り込んできた。その男が出てくるやいなや、先ほどのチンピラは萎縮した態度を見せる。
「正直お前がやられた事自体はどうでもいい。お前が間抜けだっただけだ」
「ひ、ひどいですぜ親分…」
 どうやらこの男が山賊団の親分、チンピラの男は幹部であるようだ。
「ただあの女が相手と聞いて来たんだ。あの女には借りがあるからな」
 親分と呼ばれた男はじっとメイファーを見つめている。
「メイファーが何したって言うんだ」
「そいつはなぁ…!!」

「俺たちのアジトに侵入して金品をかっぱらっていきやがったんだ!!」

「ぶーーーーーーっ!?」
 これには思わずマークスも仰天、メイファーに聞いてみると、
「旅の路銀が尽きかけてた時に偶然アジト見つけちゃってさ。ちょっと頂いてきちゃった♪相手は山賊だし別にいいやと思って」
 たくましいと言うか何というか…マークスもこれには苦笑い。
「こんな舐めた真似した女、絶対殺してやると思っていたが行方がわからなかった…だが部下の報告でお前がこの町にいると知って急遽出向いてきたってわけだ。しょうもない正義感で俺の部下に手を出した結果俺達に居場所を掴まれたんだよお前は!!」
「俺達山賊団100人がお前達を完全に包囲した!もう絶対に逃げられねぇ!!おまけにここは町外れ!叫んだって助けはこねぇってわけさ!!」
「無関係の奴も3名いるが…運が悪かったと思って一緒に死んでもらうか」
「いや、あの男は俺の部下をやりやがったんで無関係じゃありませんぜ?」
 親分と幹部の話から、彼らがメイファーの命を狙ってきた事、そしてマークス達も巻き添えにされようとしている事がわかり、さすがのメイファーも頭を抱えた。
「あっちゃー…面倒な事になっちゃった…ごめんマークスさん、巻き込んじゃって…」
 申し訳なさそうに謝るメイファー、しかしマークス達は全く慌てていない、むしろ冷静に話し合っていた。
「マークスよ、この程度のザコ100人くらい、私が本気を出せば秒殺できるが…」
「いや、それは最終手段だ。あまり騒ぎを大きくしてもまずい。ここは俺がやる」
 そう言ってマークスは剣を構え戦闘態勢に入る。
「この機会に試しておきたいんだ。俺がどのくらい強くなってるか」
 応戦する気のマークスを見てメイファーが目を丸くした。
「えっ、マークスさん…?」
「メイファー、しばらく君は手出しせずに見ててくれ」
 一方、山賊達もマークスが戦う気なのを見て下品に笑う。
「ぐはははは!!こいつ、やる気だぜ!!」
「バカじゃねーか?1対100だぜ?勝てるわけがねぇ!!」
「なぶり殺しにしてや…」

 シュンッ!

 その瞬間、マークスの剣が山賊三名をいともたやすく切り裂いた。
 あまりの早業に山賊達も状況を理解するのに時間がかかる。
 そして理解が出来た頃…
「こ、この野郎!!やりやがった!!」
「こいつ舐めやがって!!」
「囲んでぶっ殺してやれ!!」
 山賊達が怒りに燃え、いっせいにマークスに襲い掛かってきた。
 
 結論から言えばマークスと山賊達の戦いはほぼ一方的だったと言えるだろう。
 …圧倒していたのはマークスの方だった。
 
「おい、なにやってんだ!!てめぇら雁首そろえて剣士一人殺せねぇのか!?」
「し、しかし兄貴!俺達がいくら攻撃してもちっとも当たらねぇんですよ!!」
「まるで俺達の動きが読まれてるみてぇだ!!」
 事実マークスは山賊の動きを先読みする事でほとんどの攻撃をかわしていた。
 まさかの展開に山賊達も焦っている。
(よし、訓練の成果はばっちり出てるようだな)
 マークスは毎日フレミアとアイリス相手に戦闘訓練をしている。
 そのおかげでマークスは「一人で多人数相手に戦う」スキルが格段に向上していたのだ。
 個々の戦闘力、および集団の連携、フレミア達に比べれば山賊達のそれははるかに劣る。
 100人を一人で相手にしているというのに、マークスはまるで負ける気がしなかった。
「ふんっ!」
「ぐあぁっ!!」
 そしてマークスの剣でまたしても山賊がやられていく。
 ろくに攻撃が当たらずただやられていくばかりのこの状況に、さすがの山賊達もこのままでは本当に負けると思い始めた。
「くそっ!こうなったら…あそこにいる女共を人質にしろ!!」
 そこで幹部の男が離れて見ていたフレミア達を人質にする事を思いつく。
 すぐさま数名の山賊がフレミア達に近づくが…
「ひいっ!?」
「うわっ!?」
 フレミア達の方から魔法の反撃を受け退散するしかなかった。
「私の炎で灰になりたいか?」
「それとも氷漬けのオブジェになりたいかしら?」
「ちなみにボクの方にきたら容赦なく腕とか折るよ?」
 メイファーも自分の格闘スキルのアピールを忘れない。
 人質作戦はとても不可能だった
「く、くそっ…うわぁぁぁっ!!」
 そうこうしているうちに山賊達はどんどん数を減らしていく。
 恐怖のあまり逃げ出す山賊も現れ始めた。
「化け物だ!こんなの勝てるわけねぇ!!」
「冗談じゃねぇ!!やってられるか!!」
「こ、こらお前ら!!」
 親分の声にも耳を貸さず逃げ出す山賊達。
 そして…とうとう残ったのは親分一人だけとなった。
「あとはお前だけか」
「ひいっ!!」
 マークスに剣を向けられ親分は後ずさる。
 それでも彼はなんとか助かろうと頭をひねった。
「ま、待て!!お前の強さはよくわかった!!どうだ、取引しないか!!俺と組もう!!奪った金の7割はお前のものにしていい!!女だって…」
 ズバァッ!!
「がぁっ…!!」
 親分をあっさりと斬り、マークスはぼそっとつぶやいた。
「女は不自由してねぇよ、ある意味」

「す、すごい…」
 まさかのマークス無双にただただ驚くばかりのメイファー。
「さすがね、マークス」
 アイリスも感心している。
「マークスならこのくらい当然だ」
 フレミアはそう言いながらもマークスの活躍が嬉しそうだ。
 
 だが、この時ひそかに動いていた人物がいた。
 盗賊団の幹部の男である。
 彼もマークスに斬られ重傷を負っていたがわずかに傷が浅くまだ息があったのだ。
(この傷じゃもう俺は助からねぇ…ちくしょう、こうなったのもあの女のせいだ!)
 彼は死んだ振りをしてマークス達の目を欺きながらこっそりと隠していたクロスボウを取り出す。
(こうなったらせめてあの女だけでも道連れにしてやる!)
 そしてクロスボウを構え狙った先は彼にとっての発端、メイファー!
(死ね!クソ女!)

「はぁ、やれやれ。みんなー、終わったぞ…あぶねぇっ!?」
 この時、ようやく一息ついてフレミア達のもとに戻ろうとしていたマークスがメイファーの危機に気づき慌てて駆け出す!!
 そして…
「ぐあぁっ!!」
「マークスさんっ!?」
 マークスの体に刺さるクロスボウの矢。
 間一髪、自らの体を盾にしてメイファーを守ったのだ。
「マークス!?き…貴様ぁっ!!小悪党の分際でよくもマークスをっ!!」
 事の次第に気づいたフレミアは大激怒し、魔法の炎で幹部の男を包み込んだ。
「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「その炎は強力な呪いつきだ。地獄のような苦しみに見舞われ、それでいてすぐには死なないよう加減もされる。たっぷりと長い時間をかけて苦しみながら死ね」
 冷たく言い放つフレミア。
 最近はマークスにデレデレしてばかりの彼女がひさしぶりに見せた「魔女」としての顔だ。
「あがっ、あぎゃあっ!うげああああああああ!!」
 幹部の男が激しく悶えるが、呪われた炎からは決して逃れられない。
 余計な事をしなければ楽に死ねただろうに…
「マークスさん!!しっかりして!?」
 一方、負傷したマークスを心配するメイファー。
 その目にはうっすら涙すら浮かぶ。
 しかしマークスは意外としっかりした様子で答えた。
「だ、大丈夫だよ…ちゃんと急所は外してある…痛い事は痛いが見た目ほど重傷じゃないよ。きちんと手当てすれば問題ないさ。幸いここには魔法使いが二人もいるし」
「全くもう…マークスったら無茶するわね。さすがに今のはちょっと肝が冷えたわよ?」
 アイリスが魔法でマークスの傷を癒してくれる。
 効果は覿面で傷そのものはあっさり塞がり、ダメージも大部分が回復できた。
「面目ない、まさかあいつが生きてたとは…俺の油断が招いたミスだ」
「良かった…マークスさん無事でよかったぁ…」
「メイファーも心配させてごめんな。せっかく勝てたのに最後にとんだポカやらかしちまった」
「なんでボクなんてかばったのぉ…ボクならあんなの平気だったのにぃ…」
「いや平気なわけないだろ。明らかにあれ命狙ってたから。せっかく仲良くなれたメイファーをこんな所で死なせたくなかったんだよ」
「…マークスさん…」
 潤んだ瞳でマークスを見つめるメイファー。
 そして彼女の顔がゆっくりとマークスに近づき…
 ごく自然に、唇を重ねた。
「!?」
 あまりにも自然にキスされたのでちょっと混乱するマークス。
「あら、やるわね」
 のんきに傍観しているアイリス。そして…
「こ、こらーーーーっ!?小娘貴様何してるっ!!」
 わかりやすく嫉妬丸出しで怒鳴るフレミア。
 やがて唇を離した後、赤くした顔でメイファーはこう言った。
「マークスさん、大好き。ボクと結婚して子供産ませて」
「うおいっ!?話がいきなり進みすぎぃ!?」
 シリアスはここで終了である。
 
「マークスさん、ボクの旅の目的覚えてる?」
「格闘家としての修行の旅だろ?それと…あと何かあったような…」
「そう、後一つの目的は…ボクの結婚相手を探す事」
「なにぃ!?」
 突然明かされたメイファーのもう一つの目的にマークスが動揺する。
「最初は…少し気になる程度だった。けど今日一日一緒にすごして仲良くなれて…マークスさんが帰るって言い出した時、別れるのが寂しくなっちゃって…なんとかまた会いたいと思ったの」
「それであんな事を…」
「けどその後、あいつらを一人でやっつけちゃうくらい強い所とか、ボクを守るために体を張る優しい所とか見たら…もう「また会いたい」ってだけじゃ我慢できなくなっちゃったの…ボク、もうマークスさんと離れたくない!!ずっと一緒にいたい!!だから結婚しよう!!そしてボクに子供産ませて!!」
「だからいきなり話が進みすぎだっつーの!!」
「そうだぞ!!マークスの子を産むのは私だ!!」
「そしてお前は話をややこしくするんじゃねぇ!!」
 話に割り込んできたのは、言うまでもなくフレミアである。
「今日一日だけの行きずりの関係だと思ってここまでは大目に見てきたが、マークスと結婚したいだと!?さすがにそこまで許すほど私は寛容ではないぞ!!」
 アイリスの時とは状況が違う。アイリスはマークスを独占する気はなかった。
 だからこそ彼女とマークスの付き合い(セックス込み)を割とあっさり受け入れた。
 だが今日知り合ったばかりの少女が結婚まで考えてるというのはさすがに聞き捨てならない。
「フレミアさん…やっぱりフレミアさんもマークスさんの事好きなんだね?でも、ボクだって本気だよ」
「…ならば、私と勝負だ。私に勝てたならマークスと付き合う事許してやる、ただし…」
 その瞬間、フレミアの姿が何人にも増えた!!
「私は二万人いるがなぁ!!」
「げーっ!!こいつ年下相手に大人気ねぇーっ!?」
 容赦なく本気を出すフレミアにマークスが頭を抱える。
 そしてフレミア、なんだかんだでここまで隠してきたレギオンとしての姿をとうとうばらしてしまった。
 当然この異常な光景にメイファーは驚いている。
「フレミアさんがいっぱい…まさか、フレミアさんレギオンなの!?」
「理解したか、なら話は早いな」
「…すごい!!今日は本当にすごい日だよ!!結婚相手だけじゃなく、“同族”まで見つかるなんて!!」
「…同族?」
 さらっとメイファーが言った言葉にマークスは嫌な予感がした。
「同族って、メイファー、君まさか…」
「うん、ボクもレギオンだよ」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
 カミングアウトされた衝撃の事実にマークス絶叫。
 そして先ほどのメイファーの「自分なら矢が当たっても平気だった」発言の真の意味を知った。
 一人くらい死んでもレギオンなら代わりはたくさんいるのである。
「なっ…小娘、貴様もレギオンだと!?」
 驚いているのはフレミアも同様だった。
 この展開は彼女も想定外であったのだ。
「そうだよ、今証拠見せるね」
 そう言うとメイファーのまわりに新たなメイファーがたくさん現れる。
 心なしかフレミアより多いような…?
「フレミアさんはさっき二万人だって教えてくれたからボクも教えてあげる!!ボクは4万人だよ!!」
「な、なんだとぉ!?」
 さらに想定外の事実。メイファーの人数はフレミアの倍であるという事。
 数の暴力で叩き潰すというもくろみは完全に裏目に出た。
 冷や汗をダラダラ流すフレミアにメイファーはこう言い放つ。
「大丈夫、フレミアさんにもボクの事認めて欲しいからフェアに戦うよ!!ボクも二万人までしか使わない!!」
「ぐはっ!?」
 メイファーの器の大きい発言に今度はフレミア、精神的ダメージ。
 フレミアは思いっきりアンフェアな勝負をしかけようとしていたのに。
 さすがの魔女フレミアもこれは恥ずかしいようである。
(フレミア…今のお前すげぇダメな大人だぞ…)
 マークスもさすがにフォローできなかった。
 
「じゃあ行くよフレミアさん!!」
 フレミアとメイファーの対決がスタート。
 まずはメイファーがフレミアに向けて接近する。
 それを阻止しようとフレミアが火の玉を放つが…
「よっと」
 メイファーは軽やかな足取りであっさりとそれをかわした。
 そしてあっという間にフレミアの目の前まで近づき…
「たぁっ!!」
「ぐあっ!!」
 メイファーのパンチをもろに受けてフレミアの体がくの字に曲がる。
「うぐっ…」
「続けてもう一発!!」
「させるか!!」
 別のフレミア達がメイファーに攻撃。
 しかしそれもメイファーはバックステップでかわす。
 おかげでメイファーの追撃は阻止出来たが。
(くぅっ…こいつが強いのは出会った時のあの喧嘩を見てわかっていたが…想像以上だ!!魔法もなしに体術だけでここまで私と対等に戦えるとは!!)
 メイファーの強さはさすがのフレミアも素直に認めざるをえない。
 かといって負けてやる気はない!
「はぁっ!!」
 今度はフレミアが火の玉を連続発射。
 多数の火の玉がメイファーに襲い掛かる。
「こんなのよけて…えっ!?」
 ところが直前で火の玉の軌道が変化、タイミングを見計らってよけようと思っていたメイファーのリズムが狂ってしまう。
「わぁっ!?」
 そのため火の玉の攻撃をかわしきれず、いくつかまともに当たってしまった。
 さらに追撃をかけようと何人ものフレミアがメイファーを囲むが…
「このぉっ!!」
「ちぃっ!!」
 同じ数のメイファーが攻撃し、フレミア達の包囲網を崩していく。
(フレミアさん強いなぁ…魔法使いと戦った事は今までにもあったけどその中でもダントツだよ。きっと戦闘の経験が豊富なんだろうなぁ)
 メイファーもまたフレミアがかなりの実力者であると感じていた。
 
「どっちも強いな…どうなるんだこの戦い…」
 その様子を固唾を飲んで見守るマークス。
 今のところ戦いは互角で、どっちに転ぶか見当もつかない。
 ところが、その時何者かがマークスの後ろから声をかけてきた。
「マークスさんっ♪」
「え?…メイファー!?」
 そこにいたのは今フレミアと戦ってるはずのメイファーだった。
「何驚いてるのかな?ボクレギオンだよ?これくらい当然だよ?」
「あー…そうか。メイファーは4万人で、今戦ってるのは2万人だもんな」
「そういう事。それでね、その…」
「どうした?」
「…マークスさんごめん!!」
 突然マークスは何人ものメイファーに押し倒された。
 そしてマークスの衣服がメイファー達に強引に脱がされていく。
 この状況、マークスには覚えがあった。
「うわっ!?ちょっと、メイファー!?君まさか!?」
「マークスさん…ボク、もう我慢できない…」
 メイファーが服を脱ぎ、マークスの前にその裸身を晒す。
「どうかな…ボクの体、ボク格闘家だからちょっとゴツゴツしてるかな…?」
 そんな事はなかった。むしろ格闘で鍛え上げた体は引き締まっていて非常に美しかった。
「いや、すごい綺麗だけど…ってそうじゃなくて!!ダメだってこんな事しちゃ!?」
「強引なのはわかってる…でももうダメ、レギオンの本能がおさえられない…」
「レギオンの本能?それって…わぁっ!」
 裸のメイファーがマークスの腰を跨いできた。
 メイファーの女陰が思い切り丸見えである。
「話は…Hしながらでも出来るよね…」
「ちょ、待っ…あぁぁぁぁっ!!」
 メイファーが腰を下ろし、マークスのペニスがメイファーの女陰に飲み込まれた。
 何かを破るような感覚がした後、メイファーの女陰から血が流れてくる。
「ふぁぁ…ボクの初めて…マークスさんにあげちゃった…」

「メイファーずるいぞ!!勝手にマークスとセックスを始めて!!」
 この様子はフレミアにもばっちり見られていた。無論戦闘はいまだ続行中。
「貴様、フェアに戦うため二万人しか使わないと言っておきながら…さては余った人数でマークスとセックスしようと初めから狙っていたな!?」
「いや、狙ったわけじゃないんだよ。ボクも最初はこんなつもりなかったんだけど…レギオンの本能には勝てなくてさ」
「言い訳するなーっ!!」

「メイファー?こんな場所でセックスするのってどうかと思うんだ…」
 山賊達の死体があちこちに転がってるし、いまだに呪いの炎で苦しみのた打ち回ってる男もいる。
 とてもムードのある場所ではない。
「もう日が暮れて暗くなっちゃったからわかんないよ。それでも気になるなら、ほら」
 何人ものメイファーがマークスを取り囲むと、まわりの状況がさっぱり見えなくなった。
「これでボクしか見えないから大丈夫♪」
「あ、あのなぁ…うぐっ」
 説得はしてみたものの、メイファーはセックスをやめる気は全くない。
 さっきまで処女だった女陰がマークスのペニスをきつく締め付け、快感にマークスが悶えてしまう。
「で、さっきの話の、続きなんだけど…」
 本当にメイファーはセックスしながら話すつもりらしい。
「レギオンはね、希少種族なの…数が少ないんだよ…」
「そう、なのか…うっ」
「その原因が、レギオンの異常な妊娠率の低さなんだよ…」
 マークスがフレミア、アイリスと何度もセックスしていながらいまだに妊娠していないのは実はそれが理由だったりする。
「ただでさえ数が少ないのに子供が産めなかったら、レギオンはいつか絶滅しちゃう…ボクが結婚相手を探しに旅に出たのはそういうわけなんだ…あんっ♪」
「れ、レギオンが、未来のために子孫を欲しがってるのはわかったが、だからってこんな…うああっ」
「だからコレが本能なの。きっとレギオンが簡単に絶滅しないよう仕込まれた本能…自分が本当に好きだって思った相手には、こうしてHな事がしたくなっちゃうんだよ」
「なんだと…」
「その人の事が欲しくてたまらなくなっちゃうんだ…マークスさん、フレミアさんにそういう事された覚え、ない?」
「………」
 覚えはありまくりである。
 フレミアもアイリスも、隙あらばマークスを性的に襲ってくる。
 毎日毎日、何回彼女達の中に出してる事か。
「でも逆に言えば、そんなにHがしたくなるって事は、本当に相手が大好きだって証拠なんだよ。もちろんボクも、マークスさんが、大好き♪」
「うおぁっ!」
 メイファーの締め付けがさらに強くなり、マークスは思わず声が出てしまう。
「どうかな?ボクの中気持ちいい?」
「くぅっ…メイファー…」
「出したくなったらいつでも出してね。中に出してくれたらボクすごく嬉しいから。あんっ、あぁんっ」
 そう言ってメイファーはますます激しく腰を振る。
「やぁん、ボクはじめてなのに、やらしく腰振っちゃってるぅ、マークスさんのオチンチンで気持ちよくなっちゃってるよぉ」
 メイファー自身も強い快感を感じていて、かなり興奮してきているようだ。
「えいっ♪」
「ふぐぅっ!?」
 突然別のメイファーが現れると裸の胸をマークスの顔に押し付けてきた。
 柔らかな感触を押し当てられマークスが驚く。
「マークスさん、ボクのおっぱいどう?」
「…けっこう大きいんだな」
 そう、メイファーの胸は意外と大きい。フレミア、アイリスよりは小さいがそれでも平均よりは大きい方だ。
「マークスさんは、おっきいおっぱい好き?」
「うぐ、そんな答えにくい質問を…」
「ほらほら~」
「おうっ!?」
 メイファーは体を動かして、マークスの顔に押し付けた胸をさらにぷにぷにとこすりつける。
 ますます強く感じる乳肉の感触にマークスは思わず興奮してしまった。
「あは♪マークスさんのオチンチン、中で一段と大きくなったよ。おっきいおっぱい好きなんだ♪」
「嬉しいなぁ。格闘には邪魔だから今までボクは自分のおっぱいあんまり好きじゃなかったけど、マークスさんが喜んでくれるなら好きになれそう」
 なおも胸をマークスの顔にこすりつけ続けるメイファー。
 ふと、メイファーの乳首がマークスの口の中に入ってしまう。
 マークスはそれに何気なく吸い付いてみると…
「ひゃぁぁぁぁん!ダメだよマークスさん、まだミルクは出ないよぉ」
 今までになく強い快感をメイファーは感じた。
 もしかしてメイファーの弱点なんだろうか、などと思ってマークスは乳首に舌を這わしてみる。
「ひゃ、ひゃぁぁぁ、それいいよぉ。ボクすっごい感じちゃうぅぅぅぅ」
 さらに強い快感を受けてメイファーはますます興奮。
 腰を振る動きもさらに激しくなっていく。
「気持ちいい、気持ちいいよぉ。ボクもうイっちゃうぅ。マークスさん、マークスさんもイってぇ」
「ぐぅっ…」
 実を言うとマークス、もう限界が近い。
 なんとかここまでは我慢してこれたが、メイファーの動きが激しくなりこれ以上は耐えられそうにない。
「俺も、もう出る…」
「マークスさん、キスしよ。キスしながらボクの中に出してぇ!」
 胸を押し付けていたメイファーがいったん離れると、今度はマークスと唇を重ねてきた。
 同時にペニスを女陰にくわえこむメイファーの動きがラストスパートに入る。
「あぁぁもうイクぅ!イクぅ、イっちゃう!!マークスさぁんっ!!」
「ぐぅぅぅぅぅ!!」

 びゅくっ、びゅくっ!!

 メイファーが絶頂に達したのとほぼ同じタイミングで、マークスも限界に達した。
 メイファーの中に大量の精液が吐き出されていく。
「はぁ、はぁぁぁ…中にいっぱい出てるぅ~…子供出来るといいなぁ~…」

 さて、この状況が面白くないのはフレミアだ。
 自分を差し置いてメイファーがマークスに中出ししてもらってるのだから。
 正直に言うと、今すぐ自分も混ざりたいと思っている。
 だが今はまだメイファーとの戦闘中。この決着がつくまでそれはできない。
「なのに決着がなかなかつかない…」
 戦いは一進一退でこう着状態が続いていた。
 もうお互いボロボロで精神的にも疲れている。
「私はこうして戦ってるというのに、あいつは戦いながら同時にマークスとセックス…なんだか納得がいかん…」
 くわえて不満からくるイライラでフレミアのストレスがどんどん溜まってきていた。
「うぅ~…これ以上…これ以上メイファーの好きにさせてたまるかぁーッ!!」
 そしてとうとうフレミアのストレスが爆発した時…フレミアの体が発光したかと思うと、突如強烈な閃光が放たれた。
「え…えぇ~~~~~~っ!!?」
 光がおさまるとそこには驚くべき光景。
 フレミアの人数がさらに増えていたのだ。
「メイファー!!これで貴様を上回る5万人だっ!!」
 そう、フレミアはまたしてもレベルアップをしたのである。
「メイファー…よくも私の前で堂々と見せつけてくれたなぁ…」
「いや、さっきも言ったじゃん、レギオンの本能には逆らえなくて、どうしても我慢できなくて、ね?」
 さすがに不利を感じたメイファーが弁解するがフレミアは聞かない。
「私はもう我慢の限界だぁーッ!!さっさと貴様を倒してマークスとセックスをするぞーッ!!」
「フレミアさんぶっちゃけすぎ!?」
 5万人になったフレミアがメイファー達に攻撃をしかけようとしたその時。
「二人ともそこまでぇ」
 それまでずっと傍観していたアイリスが突然横槍を入れてきた。
 アイリスが魔法で寒波を作り出し、一時的に非常に寒くなる。
「うお…さ、寒い」
「ひゃあっ!?い、いきなりなんなのアイリスさん!?」
 フレミアもメイファーも寒さで震え、戦意が下がった。
 おまけに頭も冷えて幾分冷静になるのでこういう時は非常に有効だ。
「この場所から離れるわよ。騒ぎに気づいて町の人達がこっちに向かってきてる。この現場を見られたらさらに余計な騒ぎになって面倒よ」
 アイリスはそう語った。
 確かに、いくらここが町外れでしかも今は日が暮れていて見えにくいと言っても、万単位の人間が集まって戦っていればさすがにばれるし怪しまれるというものである。
 少々派手にやりすぎたのだ。
「むぅ、仕方ない、退散するか…」
 事態を把握したフレミア達は、すぐさま転移魔法でこの場から去っていった。
 それからしばらくして現れた町の住民が見たのは100人近くの山賊の死体と、もはやぴくぴくと震えるだけとなったがそれでもまだ呪いの炎で苦しみ続けている男の姿だけである。
 結果的に山賊団が壊滅したのでこの近辺の治安が若干良くなったとか。
 
 
 
 
 
 ようやくフレミア達は自分達の住処へと帰って来たのだが…
「しまった、成り行きでこいつまで連れてきてしまった…」
「お、お邪魔してます…」
 ついうっかり、メイファーまで連れてきてしまったのである。
「こいつをどうしたものか…」
 とフレミアが頭を悩ませていると、
「ねぇ…お願い。ボクをマークスさんと一緒にここに住ませて」
「えぇっ!?」
「なんだと!?」
「いいわよ」
 突然のメイファーの申し出に驚くマークスとフレミア。
 そしてアイリスは即座に了承してしまった。
「アイリス!?何を勝手に決めている!!」
「フレミア…あなた最近色ボケが過ぎるわよ。彼女、レギオンとはいえ一般人よ?」
 少し意地悪そうな笑みを浮かべてアイリスが話を続ける。
「一般人が魔女の住処に来て、ただですむと思う?黙って帰すなんて魔女としての沽券に関わるわ。彼女がここにいたいと言うならむしろ好都合じゃない」
「嘘つけー!どうせお前は「その方が面白そうだから」なんて理由で決めただろう!!」
 いかにも魔女らしい理屈を説くアイリスだったが、さすがに付き合いの長いフレミアはあっさりそれが建前である事を見抜いた。
「ねぇ、マークスさん。ボクここにいてもいいでしょ?」
「いや俺に聞かれても…」
「またボクといっぱいHしよ?ボクまだまだマークスさんにしてみたいHな事いっぱいあるんだから」
「メイファー!!何勝手にマークスを誘惑してるかっ!!」
 そして油断も隙もないメイファーの行動にフレミアはますます疲れる。
「フレミア、諦めなさい♪彼女はもうあたし達と同じ。マークスと離れられない体になっちゃったのよ。その気持ち、あなたならわかるでしょ?」
「う…」
 アイリスにそう言われるとフレミアも強く言い返せない。
 しかし、うーん、と頭を悩ませていた所にメイファーが声をかけてきた。
「フレミアさん…勝負はうやむやになっちゃったけど、ボクがマークスさんと付き合う事、どうか認めて欲しいよ。それとも…ボクの事嫌い?」
「…そんな事は、ない」
 これは本当だった。今日一日一緒にいてそれなりに楽しかったのは事実だから。
 直接戦ってその実力を認めたというのも大きい。
「ボクは、フレミアさんの事好きだよ。ボク、フレミアさんと友達になりたい」
「なっ!?」
 メイファーの発言にさすがのフレミアも面食らった。
「ボク、旅に出てから自分以外のレギオンに会ったのはフレミアさんが初めてなの。それにフレミアさんもマークスさんが好きって事はボク達は同志とも言えるし…だからフレミアさんともっと仲良くなりたいよ」
「う…」
 メイファーの懇願するような目つきにフレミアも心動かされ…
「…全く、お前は素直なんだかずるいんだか。そんな事言われたら、意地を張るのが馬鹿らしくなったじゃないか」
 ようやく、フレミアの顔から険がとれた。
「メイファー、これからよろしくな」
「うんっ!」
 ようやく和解し、互いに笑顔になったフレミアとメイファー。
 そこにアイリスも入り込んでいく。
「あらあら妬けちゃうわ。あたしはほったらかし?」
「そんな事ないよ!!もちろんアイリスさんとも友達になりたいよ!!」
「えぇあたしもよ。メイファーのような楽しい子は歓迎するわ」
「やったぁ!!」
「それと、今まで言う機会がなかったけどあたしもレギオンなのよ」
「アイリスさんも!?嬉しいよ、今日だけで二人も!!」
「レギオン同士、仲良くしましょうね」
「もちろん!!アイリスさん、これからよろしくね!!」
「うふふ。これから賑やかになりそうね」
 こうして新たな友情が芽生えた3人のレギオン。
 マークスも思わずこれには笑みがこぼれる。
「そういえばレギオンは数が少ないって言ってたな。本来レギオン同士が出会う事自体稀だったんだな。それがこうして出会って友達になって…いい話じゃないか」
「それじゃフレミアさん、アイリスさん。さっそく3人で協力プレイってのはどう?」
「えっ」
 ところが、メイファーの発言でマークスの笑みは一瞬で凍った。
 そんな彼をメイファー、フレミア、アイリスの3人が明らかに発情した様子で見つめている。
「それはいいな…メイファーに見せつけられて私はもう我慢の限界なんだ」
「うふふ、実を言うとあたしも…」
「ボクだってまだ全然満足してないよ」
「おい、ちょっと待て…」
 思わず後ずさるマークスだったが、すでにマークスのまわりは大勢のフレミア、アイリス、メイファー達に取り囲まれ退路はない。
「あ、そういえばアイリスさんは何人なの?」
「あたしは一万人だけど?」
「ボクが4万人、フレミアさんがレベルアップして5万人、てことは…すごい!合計10万人だ!!」
「なんだと…」
 とうとう数字の桁が一つ上がったという恐ろしい事実にマークスは滝のように冷や汗を流す。
「マークスさん…10万人のボクたちをいっぱい可愛がってね!!」
 そう言ってメイファー達はいっせいにマークスに飛びついていった!
「おわーーーーーーーーーっ!?」
 マークスの悲鳴は10万人の中に埋もれて聞こえなかった。

コメント -件 0件

コメントはまだありません

コメントをどうぞ