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レギオン 第一話

昨年、pixivで公開した「レギオン」。
いつかこっちのブログでも公開しようかなぁと思ってたらこんなに間が空いてしまいました。

ジャンル…分身、逆レイプ、ファンタジー

以下本文

「ついに見つけたぞ!魔女め!お前がさらった姫を返せ!」
「ふふふ、よくここまで来た。こんな人里から遠い辺境の奥までご苦労であった」
 鎧に身を包んだ青年が剣を魔女に向け怒鳴る。
 対する魔女は余裕たっぷりに椅子から立ち上がった。
「だがそう簡単に姫は返してやらんぞ。せっかくの退屈しのぎなのだ、私を楽しませてくれなくてはな」
「退屈しのぎだと!?そんな理由で姫をさらったのか!?許せん!!」
「ほぉ、許せんか。ではどうする気だ?」
「お前を倒して姫を返してもらう!」
「私を倒す、か。やってみるがよい」
 そうして青年と魔女の戦いは始まった。
 初手は青年の剣による攻撃。しかし魔女はあっさりとかわす。
「ほれ」
「くっ!」
 続いて魔女の反撃。魔法で火の玉を放ってきたが青年はこれを盾で防御する。
「ほう、防いだか。だがこれならどうか?」
 しかし魔女は攻撃の手を緩めない。今度は先ほどよりも巨大な火の玉を発射してきた。
 さすがにこれは盾では防げない!
「なんのっ!」
 これを青年はギリギリでかわしつつ前進、魔女に一気に接近した!
「なに!?」
「くらえっ!」
 急接近した青年の攻撃!魔女は回避しようとするもののかわしきれず切り傷をつけられてしまった。
「くっ…少しはできるようだな」
「姫を返せ、そうすれば命まではとらない」
「一撃当てたくらいで調子にのるな!」
 今度は火の玉を多く作り、連続で発射する魔女。
 青年はこれを軽快な動きでかわしていく。
「適当に撃ったって当たりゃしないぜ!」
「どうかな?」
「ぐぅっ!?」
 その時、青年の背後からいくつかの火の玉が飛来、青年の背中に直撃した。
(しまった、適当に撃ったのは目くらまし。本命の火の玉を操作して俺の背後に…)
「今のはこたえたのではないか?逃げても良いぞ、追いはしない」
「…誰が逃げるものか…俺は絶対に姫を助ける!」
 青年は傷ついたものの、その闘志は少しも揺るがない。
「その言葉どこまで本気か…確かめてやろう!」
 魔女の方もより闘志を燃やし、二人の戦いはさらに激しくなっていった。

 そして戦いは進み…お互い傷だらけになり息も荒くなった頃。
「一つ聞いていいか?」
 魔女が青年に語りかけてきた。
「お前、あの姫の事が好きなのか?」
「な、何をいきなり!?」
 これには青年も思わず面食らってしまう。
「お前がここまでして助けようとするくらいだ。やはり姫が好きなのか?」
「そりゃ、好きか嫌いかで言えば当然好きだが…」
「ごまかすな。“友人として”とか“人として”とかではない。姫を“恋愛対象”として見てるのかと聞いているのだ」
「………」
「答えないか。まぁいい、その態度で大体想像はつく」
 ふぅっと息をつき、魔女は話を続ける。
「だがあの姫には婚約者がいるぞ?」
「!?」
「隣の国の王子らしい。何年も前から知り合いで仲も良く、姫自身もこの王子との結婚には乗り気のようだ。わかるか?ここで私を倒し姫を取り返したとしても、姫はお前のものにはならんという事だ。それでもお前は私と戦うと言うのか?勝っても何の得にもならんのに?」
「………」
 残酷な現実を突きつけられ青年は動かない。
「いっそのこと、私のしもべとならぬか?そうすればお前にあの姫をあてがっても良い。どうだ?」
 そして魔女からの甘い誘い。青年の傷ついた体と弱った心ではとても抗えない。
 …そう思われた。
「なめるな」
 青年は剣で魔女に斬りつけた!
 魔女もこれは予想外だったのか、回避が間に合わず深い傷を負う。
「ぐぅっ!?何故…」
「知ってるよ。姫に婚約者がいる事も、姫と俺が決して結ばれない事も…!それでも俺は姫を助ける!姫に幸せになってほしいから!」
 そう言い切る青年の目に迷いはなかった。
「俺の隙をつくためにあんな話をしたんだろうが、あてが外れたな。これで終わりにしてやる」
「くっ、そうはいくか…うぐっ!」
 魔女も反撃しようとするが深い傷を負った体では上手く動けない。
 もちろんその隙を青年が見逃すわけもなく。
「とどめだぁぁぁぁぁ!!」
 青年の剣によって魔女の体は切り裂かれた。

「ふぅ…倒した…」
 魔女との戦いに勝利しようやく青年は一息つく。
(あとは姫を見つけ出すだけ…恐らくこの先に姫は捕らえられて…)
 そう思い先へ進もうとしたその時。
 パチパチパチ、と拍手をしながら奥から何者かが姿を現した。
「…どういう事だ!?」
 それを見た青年が思わず目を疑う。
「見事だったぞ。完全にやられてしまったよ」
 現れたのは、先ほど倒したはずの魔女だった。しかも傷一つ無い完全な状態だ。
「まさかさっき倒したのは偽者か!?」
「いや、あれも間違いなく私だよ。もちろんこの私も」
「なにをわけのわからん事を…!」
 混乱しつつも青年は再び魔女に剣を向ける。
「私は一人ではない。複数いるのだよ」
「例えばお前の後ろにも」
「!?」
 突如後ろから聞こえてきた声に振り向くと、いつの間にか背後にもう一人魔女が現れていた。
 魔女が二人になったのだ。
「ここにもいるぞ」
「ここにもいるぞ」
 さらに左右にも新たに魔女が現れる。
「ここにもいるぞ」
「ここにもいるぞ」
「ここにもいるぞ」
「ここにもいるぞ」
 それ以外の場所からも続々魔女が現れ、あっという間に青年は多数の魔女に取り囲まれてしまった。
 これにはさすがの青年も戦慄が走る。
「これは…分身の類か。なら本体を倒せば…」
「だから偽者ではないと言ったろう。全て等しく私だ。私はレギオンだからな」
「レギオン、だと…」
 青年はその言葉を聞いたことがある。
 同一人物が同時に何人も存在する事ができるという奇妙な性質をもった種族だ。
 しかしそれは半ば伝説の類で青年はその存在をほとんど信じていなかったし、いたとしても自分が遭遇する事はないと思っていた。
 だが今目の前に、そのレギオンが存在している。しかも敵として。
「つまり…姫を助けるためにはお前を全員倒さなくてはいけないという事か…」
 たった一人倒すだけでもあんなに苦戦した相手が何人もいる。しかも青年は先ほどの戦いでもう傷だらけなのだ。
 不利なんて話じゃない。完全に詰んでると言っていい。
 それでも青年は魔女に向かって剣を構える。
「まだやる気か?やめておけ。私と違ってお前の命は一つしかない、一度死んだら終わりなのだ。悪い事は言わない、帰れ。ここで逃げても誰も責めはせんよ」
「ダメだ、ここで俺が逃げたら誰が姫を助けるんだ」
「…参考までに言っておく。今ここに大勢いる私、これでもまだほんの一部なのだぞ?私はまだまだたくさんいるのだぞ?」
「だからなんだ」
「…この際だ、具体的な人数を言ってやる。私は一万人いる。さっきやられた分を引いてもあと9999人だ」
「それはいい事を聞いた。つまりあと9999人お前を倒せばいいんだな」
「…本気か」
「言ったはずだぞ。お前を倒して姫を返してもらうと!」
 青年の覚悟は決まった。あとはこの魔女を倒して倒して倒しつくすまで!
「姫を助けるまで俺は倒れない!覚悟しろ魔女!!」
 そう叫び青年は9999人の魔女相手に戦いを挑んでいった。





「…はっ!?」
 青年は見知らぬ部屋のベッドの上で目覚めた。
 状況を確認するため辺りを見回すと…
「目が覚めたか」
「お前は…!」
 魔女が椅子に座って青年を見つめていた。
 すぐさま青年は剣をとろうとするが…
「お前の装備一式は預かっている、ここにはないぞ」
 今青年は剣も鎧も盾も全て失っていた。
 この状況に青年の顔が険しくなる。
(くそっ!なんてざまだ!姫を助けるために全ての魔女を倒すと言っておきながら…結局俺は敗れたのか!!)
「まぁ落ち着いて話を聞け。まずお前の状況を説明してやろう。お前は3日間眠っていたのだ。無理も無い、体力の限界を超えて戦ったのだからな」
 魔女は感慨深そうに戦いを振り返る。
「すさまじい戦いぶりだった…たった一人で私を128人も倒し最後は立ったまま気絶したのだ。その後私はお前の傷を魔法で治しここで介抱していた。それがここに至る経緯だ」
「ふん…」
 敵である魔女に介抱されたのが気に食わない青年はそっけない態度だ。
「そして姫の事なんだが…姫はもうここにはいない、お前が眠っている間に元の国に帰してやった」
「なんだと!?」
 だがこの言葉に青年が大きく反応。思わず声を上げる。
「言ったであろう、姫をさらったのはただの退屈しのぎだと。もとより頃合を見て帰してやるつもりだった。お前との戦いで私はおおいに満足したからな。目的を達成した以上もう姫は必要ない、だから帰してやっただけの事だ」
「ほ、本当か…もう姫は助かって…」
「そうだ、もう姫の事は心配しなくていいぞ」
「ならこうしちゃいられねぇ!!」
 ベッドから飛び出した青年が大慌てで外へ出ようとした、が…それは魔女によって食い止められた。
「おい、邪魔しないでくれ!」
「どこへ行く気だ?」
「国へ帰るんだよ!もうここに姫がいない以上ここにいても意味がないし、何より姫の無事をこの目で確かめたい!」
「ダメだ、お前はここにいろ」
 青年のまわりに何人もの魔女が現れ青年を強引にベッドに戻してしまった。
「何をするんだ、離せ!」
「まず聞かせてくれ、お前の名前は?」
「な、何をいまさら…」
「あぁすまない、先に私が名乗るべきだな。私の名は、フレミアだ」
「…俺は、マークスだ」
 仕方なく答えたマークス。
 名前を聞けて嬉しいのかフレミアは笑みを浮かべる。
「そうか、ではマークスよ」

「ここで私といっしょに暮らそう」

「…は?」
 呆気にとられるマークス、その次の瞬間一人のフレミアがマークスと強引に唇を重ねてきた。
「~~~~~~~~!?」
 あまりの事に声が出そうになるが口をふさがれ声は出ない。
 引き剥がそうにも体を他のフレミア達に押さえこまれまともに動けない。
 フレミアはしばらくマークスの唇を堪能した後ようやく口を離した。
「これが私の気持ちだ…」
「いや、待て…おかしい…何故こうなる…?」
「おかしくなどない、むしろ当然だろう。私を100人以上も倒せる力の強さ、そしてどんな窮地に陥っても諦めなかった心の強さ、こんないい男、好きになるなという方が無理だ」
「いや、俺とお前は敵同士で…」
「もう姫は帰したから敵じゃないだろう?」
「そういう事じゃなくてだな…お前、本気なのか?つい3日前に殺し合いをした相手を好きになったって言うのか?」
「男同士は殴りあいの喧嘩をした後友情が芽生えるのだろう?それが男女ならば愛が芽生えても…」
「おかしいからな!?そのりくつは絶対におかしいからな!?」
 思わずマークスも大声でツッコミを入れてしまう。
「私はこんなに好きになったお前を帰したくないのだ。だからここで私と暮らそう。ずっと一緒にいよう」
「冗談じゃねぇー!いきなりそんな事言われて納得できるかぁー!!」
「何が不満なのだ?もしかして…私はマークスの好みではないのか?」
「そういう問題じゃ…うわっ!?」
 突然フレミアが服を脱いだ。
 裸になったフレミアの体がマークスの前に堂々とさらけ出される。
「私には女としての魅力を感じないというのか?」
「そうじゃなくて、だな…」
 思わずしどろもどろになってしまうマークス。無理も無い。
 美しく整った顔、綺麗な髪、胸が非常に豊満にも関わらず全体的にバランスのとれたスタイル。
 フレミアははっきり言ってかなりの美女と言って差し支えなかった。
 戦っていた時は姫を助けたい一心で全く気にならなかったが、いざこんな状況で迫られてはさすがに意識してしまう。
「顔が赤いぞマークス。良かった、どうやら私はマークスの好みに合うようだ」
 マークスが少なからず性的に興奮した事を悟ってフレミアは嬉しそうだ。
「それならばここで一緒に暮らす事に何の問題もないな」
「なんでそうなるんだよ!俺はそんな気全くないからな!?」
「…そうか、それなら…」
 突然マークスをおさえつけていたフレミア達がマークスの服を脱がし始めた。
「お、おい何をするんだ!?」
 抵抗しようとするも人数差に押し切られマークスは裸にされてしまう。
「いっ!?」
 そしていつの間にやら他のフレミア達も全員裸になっていた。
 これにはマークスも思わず目のやり場に困る。
「マークスよ、お前にその気が無いのなら、その気にさせるまでだ」
 全てのフレミア達がほんのりと顔を赤らめる。
 その態度からマークスも察した。
「おい、まさかお前…」
「私の体でお前に最高の快楽をプレゼントだ。そうすればお前も私と一緒にいたいと思えるだろう」
「や、やめろーっ!!」
 必死でもがくもののフレミア達におさえつけられた体はびくともしない。
「お前に拒否権はないぞ。お前は敗者で私は勝者。いつの時代も敗者の処遇を決められるのは勝者の特権だ」

「あむっ、んむぅ…」
「ちゅる、ちゅるる…」
「れろっ…れろぉ…」
 3人のフレミアがマークスのペニスを舐め回している。
 本人同士だから当たり前だが息の合った動きで、見た目以上に強い快感をマークスは受けていた。
「うっ…あぁぁぁ…」
「ふふ、気持ちいいだろう。だがこんなのまだまだ序の口だぞ」
 マークスの乳首と首筋にもフレミアの舌が伸びる。
 ねっとりといやらしく舐められ、否応なしにマークスは興奮してしまう。
「うわぁぁ…くそぉ…離せぇ…」
 相変わらずおさえつけられたままのマークス。
 その時マークスの手に何か柔らかいものが押し付けられる。
「ほらマークス。ここも触っていいんだぞ」
 フレミアが大きな乳房を自らマークスの手に押し付けていたのだ。
「や、柔らかい…」
 押し付けられた乳房はあまりにも大きくそして柔らかい。
 マークスは無意識のうちに手を動かしてその感触をより強く感じてしまう。
「私の胸は気に入ってくれたか?ならばこっちも」
 もう片方の手にも別のフレミアの乳房が押し付けられ、マークスは両手でその柔らかさを味わう事となった。
「ふわぁぁぁ…」
 体のあちこちから襲い掛かる快感にマークスの興奮はますます高まる。
 ペニスは最大限に大きくなり、それをフレミア達にますますいやらしく舐め回され…
「あああ出る!出るぅぅっ!!」
 とうとう我慢できずに射精してしまう…と思われたその時。
 ペニスからフレミアの舌がふっと離れた。
「えっ…」
「出したかったか?マークス。心配するな、ちゃんと出させてやる」
 そう言ってフレミアの一人がマークスのペニスめがけて腰を落としてくる。
「やはり出すならここがいいだろう?」
「うぐぁぁぁぁ…」
 ぐちゅっ…といやらしい音をたててマークスのペニスがフレミアの女陰の中に飲み込まれた。
「ほうら、動くぞ」
「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 そのまま腰を上下に動かし始めるフレミア。
 女陰の中で無数の襞がペニスに絡みついてくる、まるでマークスのペニスを大歓迎するかのように。
 当然マークスが受ける快感は相当に大きい。
「あっ、がぁ、うぁぁ」
「はぁ、はぁ、いいぞマークス。これ、私も気持ちいい…!」
 フレミアの顔が快感に蕩けるが、マークスの受ける快感はそれ以上だ。
「ほら、ここだぞ。マークス」
 ふと、右手に押し付けられていた乳房が離れる。
 そして今度は粘膜の感触が右手に押し付けられた。
「わかるか?今マークスのチンポが入ってるのと同じモノなんだぞ?」
 別のフレミアがマークスの右手を自分の女陰に導いていたのだ。
 そこはいやらしい液体で濡れており、右手がたちまち水気を帯びていく。
「マークスぅ、こっちを忘れてもらっては困るぞ。もっと揉んでくれ」
 左手にはますます強くフレミアの乳房が押し付けられる。
「マークスの乳首、立ってるじゃないか」
「もっと舐めてやるからな」
 乳首を舐める二人のフレミアの舌の動きもますますねちっこくなった。
「首筋だって、両側からこうして舐めてやれば…」
「なかなか心地よいだろう?」
 首筋も両側から二人のフレミアに舐められ、マークスの体から力が抜ける。
「どうだマークス。私の中は気持ちいいだろう?私と一緒にいてくれるならこんな事毎日だってしてやるぞ」
「あがっ、あぁ、あぁっ」
 そしてマークスのペニスを女陰でくわえこむフレミア。
 あまりの快感にマークスの意識は混沌としてきた。
 正常な思考ができずフレミアの声にまともな言葉を返せない。
「ふふふ、そんなに気持ちいいか、嬉しいぞ。私の中でもっと感じてくれ!」
「ああああぁぁぁぁぁ!!」
 フレミアの腰の動きがますます激しくなり、マークスの受ける快感もますます大きくなる。
 いよいよマークスの限界が近い。
「我慢なんてしなくていいぞ!私の中で出してくれ!マークス!!」
「ひぃ、うぅ、うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 どくんっ!どぷっ、どぷっ、どぴゅぅっ!!
 
 とうとう耐え切れずにマークスはフレミアの中で射精してしまった。
 大量の精液が膣内にあふれ、わずかな精液が女陰から零れ落ちてくる。
「はぁぁぁ…なんて濃厚な精液…素敵だぞ、マークスぅ…」
「はぁ、はぁ、はぁ……ちくしょう…」
 射精した事でようやく意識が落ち着いたのか、マークスが悔しそうに声をもらした。
 しかしマークスには息つく間もない。
 フレミアがペニスを解放したかと思うと、
「さぁ、次は私だ。んんっ…」
 別のフレミアが再びペニスを女陰に飲み込んだからだ。
「お、おい、今出したばかりだぞ!?」
「マークスよ、あれで終わりなわけがないだろう。忘れたのか?私は一万人いるという事を」
 …その言葉を聞いた瞬間、マークスの背筋が凍った。
「冗談、だろ…」
「冗談ではない、本気だ。一万人全ての私がお前に抱いて欲しいと願っているのだ」
「い、いや…一万人はいないだろ…100人以上俺が倒したんだし…」
 マークスがそう言ったのは単なる苦し紛れだったのだが…
「そういえばそうだったな、少し欠員がいる。だが問題ない。“補充できる”」
「えっ」
「レギオンは男性の精液からエネルギーを吸収し、死んだ自分を蘇らせる事ができるのだ」
「なにぃ!?」
「とはいえどんな男でもいいわけではない。大抵の男の精液ではあまり大きなエネルギーにはならんのだが…さすがマークスは格が違うな、さっきの一回で早くも私が一人蘇ったぞ」
「マジか…」
「よし決めた。まずは死んだ私を全員蘇らせよう」
「100回以上出せってか!?」
「そして一万人の私でお前を徹底的に愛してやるぞ♪」
「た…」

「助けてーーーーーーーーーっ!!」
 マークスの悲鳴は空しく響き渡った。
 
 
 
 
 
 そして一週間後。
 マークスはベッドの上でぐったりとしていた。
 フレミアの補充が無事に終わり、ようやく休息を与えられたのだ。
 代償としてマークスはすっかりやつれきっていたが。
「人間ってあんなに射精して生きていられるんだなぁ…」
 そんなしょうもない感慨を抱いていた所に。
「マークスよ、お前にいいものを持ってきたぞ」
 フレミアが何かを持って部屋に現れた。
「なんだそれは…」
「あの姫の国の新聞だ。姫の事が載ってる」
「!?」
 フレミアから渡された新聞をマークスは食い入るように見つめる。
 そこには姫が婚約者であった王子と正式に結婚したという記事が掲載されていた。
「そう、か…姫は結婚したのか…」
「これで良かったのだろう?」
「あぁ…もう俺が姫に出来る事は何もない。あとは姫が幸せになってくれるよう祈るだけだ…」
 しんみりとした表情でマークスはそう語る。
「しかし、何故わざわざこんな新聞を?」
「お前が姫の無事を確認したがっていたからな。お前を安心させてやりたかった」
「…そうかい、それは…一応感謝しとく」
 姫をさらった張本人が何を言うか、とも思ったがマークスはその言葉を飲み込む。
「…フレミア」
「なんだ?マークス」
「…しばらくはここにいてやる」
「本当か!?」
 嬉しさのあまりマークスに抱きつこうとするフレミア。
 その顔面にマークスのチョップが入る。
「あうっ」
「勘違いするな!もう今更国に帰ってもする事がないからしばらくいてやるだけだ!!」
「ツンデレだな、わかるぞ」
「デレる気はねぇーっ!!つーか今更だけど、お前初めて会った頃とキャラ変わりすぎだろ!!」
「変わりもするさ。こんなにもお前を愛してしまったのだから」
「ドヤ顔で言うんじゃねぇ殺すぞ!」
「別に殺してもいいぞ?後でお前が補充に付き合ってくれるならな」
「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」

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